直感と論理をつなぐ思考法 佐宗邦威著

書評

他人モードの停滞感から「ビジョン思考」で自分モードを取り戻す!

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やることに日々忙殺されているビジネスパーソンは「他人モード」にハイジャックされています。「他人モード」とは人から受け取った情報に反応する行動で、「自分がどう感じるか」よりも、「どうすれば他人が満足するか」ばかり考えてしまいます。

何気ないSNSでの発言も「どうやればフォロワーが増えるのか」「どうすれば、いいねが増えるのか」などと考え、自分よりも他人を気にする思考になってしまっています。他人モードは停滞感を感じさせ、モヤモヤ感につながります。

このような他人モードの状態から自分モードの思考にはどうすれば良いのか?という問いに本書では「ビジョン思考」というものを提唱し、妄想(直感)を表現(論理)するためのステップを解説しています。ポイントは「余白を作ること」です。

普段、論理的に物事を考えることを求められる人、物事を定量的に判断することが多い人はこのビジョン思考というものはとても役に立つと思います。

第4の思考領域であるビジョン思考

これまでの思考の領域では、大きく3つのタイプが存在していた。ビジョン思考は、そのどれとも異なる「第4の思考」だ。
 ①カイゼン思考
 ②戦略思考
 ③デザイン思考
 ④ビジョン思考

上記①〜③を簡単に説明すると以下の通りになります。
カイゼン思考
 ゴールが明確でそれに向けて単位当たりのアウトプットを増やすことを目的とすること

戦略思考
 問題解決やマーケティングを武器に、自分たちが勝てる目標を設定し、資源を集中配分すること

デザイン思考
 手を動かして考え、五感を活用して統合し、生活者の課題をみんなで解決すること

この3つは全てイシュー・ドリブン(問題解決型)なアプローチであり、課題解決を目的にしています。一方ビジョン思考は、以下のような思考法です。

まだ目には見えない理想状態を自発的に生み出し、そこと現状との間にあるギャップから、思考の駆動力を得ていく方法である。これがビジョン・ドリブンなアプローチである。

ビジョン思考は妄想→知覚→組立→表現というループで構成されます。

他人モードにハイジャックされた思考に対して、それぞれのステップで次のことを行うことをで自分モードを取り戻します。

妄想する:自分の妄想をかたちにする
知覚する:ビジョンの解像度を上げる
組替する:自分なりの切り口を与える
表現する:自分らしい表現に落とす

すべては妄想から始まる

ビジョン思考の第1のステップは妄想です。
妄想する、と言われてもピンとしないかもしれませんが、要は自分がやりたいことを素直にアウトプットしてみることです。

それは明確な言葉である必要はありませんし、実現可能性なんて考える必要もありません。だって妄想ですもの。

考えるときは紙に手書きが基本です。これは非常に大事なことです。絵を書いたり、文字を書いたりすることで、右脳・左脳の両方を刺激することができます。

妄想を書き出したところで、それを単なる妄想でなく、見える形でのギャップを見つけるメソッドが本書では紹介されています。それが問いかけです。

何か具体的な問題を起点にして、その解決を目指すイシュー・ドリブン(問題解決型)な取り組みにおいては、「どうすれば・・・できるのか?」(HOW-MIGHT-WE型)という問いかけを立てることによって、「マイナスをゼロに引き上げようとするドライブ」が生まれる。
他方、妄想を起点にした考え方の場合、問いかけは「もしも・・・ならどうなるか?」(WHAT-IF型)という形をとる。前者と対比をするなら、こちらは「ゼロからプラスに引き上げる駆動力」だと言えるだろう。

妄想が実現したら何が起こるか?という点を考えてみることで、次の妄想につながったり、より深い思考をすることができます。妄想には飛躍も重要です。

世界を複雑なまま知覚する

物事を理解しようとする時、シンプルな構造になっている方がわかりやすいように感じます。これは本当に良いことなのでしょうか?

私は本書を読むまではシンプルなのは概ね良いことだ、と思っていました。
しかし、シンプルさを突き詰めると視野が狭くなる、最適化された情報は情報が咀嚼されているだけ、という内容に膝を打ちました。

世界は複雑なんです。これをそのまま理解(知覚)できた方が、情報も落ちないですし、視野も狭くなりません。対象の意味を理解する「知覚」を磨くためのセンス・メイキングというメソッドを紹介します。

テクノロジーが与えてくれる「シンプルでわかりやすい世界」のタコツボを避け、「自分視点で考えること」に関心を持つ僕たちにとっても、知覚力は決定的に重要な意味を持っている。
(中略)
このような能力は、経営・マネジメントの分野でも見直しが進んでいる。
その代表格が、組織心理学者のカール・ワイクが中心となって提唱した「センス・メイキング理論」だ。これは外界の状況を「感じ取り」(Sense)、その中から固有の「意味」(Sense)を作り出す行動モデルだ。
(中略)
知覚力は大きく3つのプロセスから成り立っていると言える。
①感知:ありのままに観る
②解釈:インプットを自分なりのフレームにまとめる
③意味づけ:まとめ上げた考えに意味を与える

各プロセスの詳細とTipsは本書をご覧いただくとして、このプロセスでも絵で考えることと文書で考えることを行ったり来たりします。
それを通じて両方の脳を刺激し、理解を深めることができます。

全体的な感想

本書内で定義されているイシュードリブンの思考法(カイゼン思考、戦略思考、デザイン思考)に関する書籍は今まで何冊か読んできました。
ビジョン思考というのは今回初めてで、とても良いものだと思いました。
本エントリーでは割愛しましたが、
 『凡庸さを克服する「組替」』
 『「表現しなきゃ「思考じゃない」』
という部分も思考のヒントが満載です。

システム開発という仕事柄、論理的に物事を考えられることを求められることがほとんどであり、本書でいう「余白のデザイン」ができていない状態でした。

昔マインドマップでイメージの重要性について学びました。
また、普段のシステム開発の中でも絵で考えることは自分と周りの人たちを深めることだと実感しています。

重要だと分かっていてもそれを体系立てて説明されたものは本書が初めてだと思います。日々の作業に忙殺され、モヤモヤ感が募っているビジネスパーソンにおすすめの一冊です。

編集後記

この本を通じて学んだメソッドは普段の生活に取り入れていきたいと思います。

まずは感情をアウトプットするというのは実践したいと思います。とりあえず、↓のノートを購入しました。昔モレスキンのノートを使っていましたが、今回はちょっと変えてみました。

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