キャリアの時間軸は自分で決める!
パラレルキャリアを始めよう! 石山 恒貴 ダイヤモンド社 2015-07-02 |
日本人の平均寿命は年々伸びていき、2014年は統計上80歳を
超えています。
通常企業に勤務している場合、定年は60歳。
ずっと仕事を頑張ってきたから、残りの人生はゆっくりしたい、
そう考える人もいるでしょう。
ただ、「生涯現役!」という人もきっと多いと思います。
本書は、そんな生涯現役で社会と関わりたい人にオススメの一冊。
パラレルキャリアとは、本業をしながら社会活動をすることです。
転職とは違い、パラレルキャリアの目的は、社会活動をすることで、
違う視点を獲得し、自己成長につなげること。
本書には、NPOを始めとする中間支援団体の情報、
実際に活動をした人の事例がのっていて、その効果がわかりやすく
書かれています。
■シングルキャリアとパラレルキャリア
本書ではパラレルキャリアの対比として、シングルキャリアと
いう定義がされています。
シングルキャリアとは、「自分が本業と考える組織、あるいは役割に
全面的に依存してしまい、その価値観を疑問の余地がなく受け入れ、
その状態から変化する可能性すら想定していない場合」と
定義しておきたい。
ずっと同じ会社にいるからシングルキャリアというわけではありません。
組織に依存している度合いを定義の軸としています。
一方、パラレルキャリアは
本業と本業以外の社会活動という複数のキャリアを同時に
実践すること
という定義になっています。
「社会活動」といっても、週に5時間〜10時間程度の時間で
可能な活動が紹介されています。
システム屋の立場としては、例えば、オープンソース開発などは
組織に依存した活動ではないですが、社会活動と言われると
「ん〜」となってしまいます。
この定義にハマらないものなのでしょうか。
■社会活動に関わるメリット
社会活動をすることは、本業ではなかなか実践できない
ようなことができます。
例えば、
ゼロベースで考える
違う業界、違う業種の人と活動する
組織対応力があがる
です。
1つ目は本業が戦略系コンサルなどの人は日常で
やっているのでしょうが、一般的には中々やらないことです。
2つ目は中間支援団体(※)に登録すると、業界/業種を問わず、
様々な人とチームを組む事になるので、本業では得られない視点を
得る事ができます。
最後の3つ目は、2つ目に関連して知らない人とチームを組む事で、
慣れ親しんだ組織文化とは違う「場」が対応力を上げてくれます。
※ 本書で紹介されている中間支援団体
■キャリアを考える
自分自身のキャリアは会社人生が終わったら終わりではありません。
会社に関わらないキャリアを考えることがこれから大切に
なっていきます。
パラレルキャリアを実践することで、キャリアにおける選択肢を
増やすことができます。
本書では社会活動を実践した結果、起業した人や別のNPOを
立ち上げた人の事例などが紹介されています。
■編集後記
「パラレルキャリアって何だろう?」という興味から本書を
手に取りました。
今まで自分のキャリアにおいて、NPOやボランティアに関わる
という選択肢がなかったので、中間支援団体や事例が紹介されている
本書は知らない世界を教えてくれました。
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