アクションに繋がる資料作成のポイント
世界のトップを10秒で納得させる資料の法則 三木 雄信 東洋経済新報社 2015-05-01 |
エグゼクティブ向けの資料で一番大切なことはなんでしょうか。
それは「見てすぐ何をするべきかがわかること」です。
エレベーターピッチという言葉がある通り、エグゼクティブは
それでなくても忙しく、渡された資料が何をいいたいのかを
いちいち考える時間はありません(判断するのが仕事なので)。
では、「わかる資料」「納得させる資料」とはどのようなものでしょうか。
本書のタイトルにある「世界のトップ」とは著者が在籍していた
ソフトバンクの孫正義氏。
本書は著者が孫さんに鍛えられることで磨いた資料作成の
ポイントを以下の主要資料毎にまとめたものです。
業務処理報告書
売上報告書
要因分析レポート
プロジェクトマネジメント型会議議事録
プロジェクトマネジメントシート
パレート図
回帰分析
プロセス分析シート
プレゼンテーション
企画書
頑張って資料を作っても、「よくわからない」と上司に
言われてしまう方にオススメです。
■群管理
「群管理」とは、ある連続した一連の業務を週や月などの
時間の単位で区切り、その一単位ごとを「群」として
管理する手法のことを言う
群管理を利用することのメリットは時系列で把握できる事です。
起きている事象をステータス別に別に管理し、群を時系列で
追いかける事で、起きている事象の把握、ボトルネックの特定に
つなげる事ができます。
著者が実際におこなったYahoo!BBに関する事例が掲載されており、
非常にわかりやすい内容です。
システム開発に応用するには、工程別の生産性や品質管理などに
利用できそうです。
■回帰分析
回帰分析とは、複数の変数間の関係を一次方程式の形で
表現する分析手法です。
事象を分析する際は、いくつかの要因を候補としてあげ、
その因果関係や相関関係を見ることが重要になります。
回帰分析をすることのメリットは
PCDAをロジカルに回すことができる
漏れチェックが可能になる
と本書では挙げられています。
前者は数値化する事によるメリット、後者は決定係数を
見ることで他の変数が存在するかどうかのチェックが
できるというメリットになります。
本書内ではExcelを利用した散布図➡回帰分析➡決定係数算出の
やり方が図付きで記載されているので、すぐにでも試す事ができます。
■プロセス分析シート
「業務」を定義する際のポイントは
『入口、プロセス、出口を定義する』
ことです。
これは業務に限らず、さまざまな作業定義をする際にポイントです。
プログラミングをするときも、まず、インプットとアウトプットを
定義します(いわゆるインタフェース定義)。
これをしないと、何の処理をするためのものなのかを定義できません。
本書で記載されているプロセス分析シートもこれと似た考え方の
ものです。
「とりあえず、作業を開始します」と経験の浅いビジネスパーソンは
言いがちですが、まずは落ち着いた取り組む作業の入口と出口を
定義する事が大事です。
■編集後記
本書は資料作成に関する書籍ではありますが、普段ビジネスを
している際に思考する際の観点も提示してくれます。
例えば、
「ステータスは適切に定義する」
「事実と評価をわける」
「ストックとフローは分けて考える」
などです(本書内の表現とちょっと変えてます)。
これらはものごとを考える際にも非常に重要なことなので、
意識して今後意識していきたいです。
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