シカゴ・スタイルに学ぶ論理的に考え、書く技術 吉岡 友治著


「問題+解決+根拠」が論文の基本構成


シカゴ・スタイルに学ぶ論理的に考え、書く技術: 世界で通用する20の普遍的メソッド シカゴ・スタイルに学ぶ論理的に考え、書く技術: 世界で通用する20の普遍的メソッド
吉岡 友治

草思社 2015-01-16
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本書の「はじめに」には以下のような一文があります。

明晰かつ判明に考え、表現するために

「シカゴ・スタイル」とは著者がかつて学んだシカゴ大学で教えられている
論文の書き方だそうです。上記一文はこの「シカゴ・スタイル」を学ぶ目的を
的確に表現しているものです。

本書は4つの章から構成されています。

Chapter1 文のつくり方とつなぎ方
Chapter2 段落のつくり方
Chapter3 全体を構成する
Chapter4 理解から批判につなげる

文章を読む側の立場でどのような文章構成がわかりやすいのか(論理的なのか)が
順を追って事例を踏まえながら解説されています。

文章力を強化したいビジネスパーソンにお勧めな一冊です。

 

■文のつくり方とつなぎ方

わかりやすい文を作るためには、わかりにく文の特徴を理解する必要があります。
わかりにくい文の特徴というのは、
 ・トピック(話題)がどこにあるのかがわからない
 ・接続詞が不適切
 ・主人公に一貫性がない
などがあります。

これらの課題を解決するために本書は1つ目のメソッドとして
「シンブルな文をつくる」をあげています。

論理的文章の文体はシンプルでやさしいことを旨とする。そのためには、
難しい言い回しや比喩を避け、名刺の前の修飾を少なくし、言いたいことは
述語部分に回す。イメージ的には、頭を軽く尻尾を重くするのがコツ。

シンプルな文というのは、読み手に優しいです。
また、接続詞に関しても次を想像できるような接続詞を使うことで、読者のストレスを
軽減することができます。
これらを本書では、「Reader’s Frendlyの原則」と表現しています。  

 

■段落のつくり方

段落についても読者の知りたい内容から先に書く必要があります。
つまり、
 ・主張・判断(著者は何を主張しているのか)
 ・理由(それはなぜか?)
 ・説明(理由をもっと詳しく言うと?)
 ・例示・データ(具体的には?)
という順番になります。

それぞれの粒度に関しても著者が最も言いたい大事なことを大きく述べ、
その後に詳細部分(枝葉)を述べることが適切な構成になります。
これを本書では、「ポイントファースト」と呼んでいます。

 

■全体を構成する

論文の全体構成は「問題+解決+根拠」の形で整理できる。
問題は、疑問・対立・矛盾などのテンションの形で表れるが、
その問題を解決するのが、論文である。その意味で論文を書くときは、
既存の学問的方法を利用しつつも、新しい問題に取り組む必要がある。

論文全体をマクロ的な視点見たときに、「問題+解決+根拠」とすることは、
読む側に論点を明示することができ、その後の議論に繋がります。

根拠の中身は、「段落のつくり方」 で記載した理由、説明、例示・データになります。

定義した問題に対して、解決策を示す。その策の根拠は定性的・定量的なもので証明する。
この一連の流れが、論理的な文章を作成するためのポイントといえるでしょう。

 

■全体的な感想

久々にマッキンゼー関連でないロジカルライティングの書籍でした。

論文執筆が前提になっているのと、例題が政治だったり、文学的なものが多く、
普段その辺の分野になじみのない私には読み進めるのに苦労しました。

文や段落の構成などは類書にない内容なので、非常にためになりました。
また、「反証を前提として文章を記載する」などは普段意識していい内容だったため、
これから文章を書く際は気をつけたいことでした。

本書に記載されている内容は論文だけでなく、普段書く報告書やプレゼン資料などにも
活かすことができそうです。

  

■編集後記

本格的な論文執筆を勉強するのであれば、こんな本もあるようです。

シカゴ・スタイル 研究論文執筆マニュアル シカゴ・スタイル 研究論文執筆マニュアル
ケイト・L・トゥラビアン 沼口 隆

慶應義塾大学出版会 2012-10-31
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値段もページ数もヘビー級なので、私には読みこなせそうにないです。

 

■関連エントリー

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