知識は過去。思考は未来。
自分のアタマで考えよう ちきりん 良知高行 ダイヤモンド社 2011-10-27 |
「考える」という行為はどのようなことをいうのでしょうか。
一般的には目の前にある事象に対して、自分のアタマの中にある情報を
もとに、「ある一定の結論」を導くことをいうのでしょう。
では、その考えるために必要なコトとはなんでしょう。
「知識」でしょうか。それとも「情報」でしょうか。
答えは、「考えるための基準とプロセス(思考の仕方)」です。
本書は社会派ブロガーのちきりんさんが
自分のアタマで考えるための思考の仕方
について記載した一冊です。
例をもちいた考え方のプロセスが書かれていて、
非常に読みやすかったです。
■決めるプロセスは具体的に
物事を決めるのに一番重要なのは、情報ではありません。
一番重要なのは、「決めるプロセス」と「基準」です。
会社の中でも優秀な人が集まって会議を何回こなしても、
決めるためのプロセスが決まっていなければ、
何も結論がでない会議が何回も繰り返されるだけです。
この「決めるためのプロセス」は具体的でなければなりません。
数字ベースで判断するのであれば、その項目を軸に判断する事になります。
私は職業柄かもしれませんが、作業フローをよく書きます。
作業をするために必要なインプットは何なのか、判断基準に用いるのは
なんなのか、それを明確にしないと、モヤモヤしてしまう性分みたいです。
(ちょっとメンドクサイやつです)
■2つの問い
ある数字を見る際に必要な問いは2つであると著者は述べています。
その2つとは、「なぜ?」「だからなんなの?」です。
「なぜ?」とは、数字の背景を探る問いです。
数字は何かの現象や活動の結果なので、すべての数字には理由があります。
「だからなんなの?」と、「過去の結果がこの数字に表れているのだとしたら、
次はなにが起るのか?それにたいして自分はどうするべきなのか?」と、
データの先を考える問いです。
この2つの問い対する答えを考える事で、数字を正しくとらえる事ができます。
数字はファクトなので、その経緯と「自分ごと」としての今後を見るためには、
非常に有用な問いです。
■分析はまず比較から
物事を分析するためのスタートは「比較」であると著者は述べています。
また、比較には2つの種類があります。
①自・他の比較
②時系列の比較
詳細な説明は本書をご覧いただくとして、個人的にはこの部分が
一番ためになりました。
今後の自分のキャリアを考えるのに、活用できればと思います。
■編集後記
ちきりんさんの著作を読むのはこれで2冊目になります。
ブログの方も拝見していますが、ちきりんさんの視点は
個人的にはとても好きです。
本書もそうですが、抽象化されたメソトロジでなく、
具体的な事例(ご自身の経験)から生み出された考え方で、
非常にわかりやすいです。
私も自分の判断基準と分析軸をもって物事を「考える」ことが
できるようになっていきたいです。
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