その仕事、全部やめてみよう――1%の本質をつかむ「シンプルな考え方」 小野和俊著

書評

本当にやるべき事にフォーカスするための考え方

その仕事、全部やめてみよう 1%の本質をつかむ「シンプルな考え方」 | 小野 和俊 |本 | 通販 | Amazon
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ビジネスをしていると価値あるやりたい仕事より、それほどでもないやりたくない仕事が多くなってしまうことがあります。その理由は様々ですが、そんなことを考える暇がないくらい日々の「作業」に忙殺されてしまう、そんな経験がある人は私だけではないと思います。

本書は忙しいビジネスパーソン向けに、「本当にやるべき事は何か」「それをやる為にはどうすれば良いか」ということを教えてくれる一冊です。

著者はITベンチャーとクレディセゾン(CTO)という大企業を経験しており、それぞれの文化やスピード感の違いが書かれている箇所もあります。また、エンジニア出身ということもあり、関わったエンジニアに関するエピソードもあります。(個人的にはわかる、わかるという物も多かったです)

「ハンマーと釘」の世界の落とし穴――正しく実行する

If all you have is a hammer, everything looks like a nail.
(ハンマーしか持っていないと、全てが釘に見える)

この有名な諺はIT業界で言うとハンマー=技術になります。
新しい技術が出てくると、どうしてもそれを使いたくなってしまう物です。
その衝動が大きくなってしまうと、技術が使うことが目的になってしまい、本当にやりたかったこと(それを使って解決したかったこと)がおざなりになってしまいます。

最近で言うとAIやBlockChainがそれに当たります。

何のためにAIを導入するのか?それを導入することで何が解決できるのか?と言う考えなしに導入を決めてしまうと、そのプロジェクトはどこに向かっているのかがわからなくなってしまいます。
本当はワークマンの事例のようにExcelでよかったかもしれないのに、わざわざ大金積んであまり使えないAIを入れてしまう、といった事例もきっとあるでしょう。

ハンマーの落とし穴にハマらないためのポイントが本書では紹介されています。

(1) その技術が課題解決にどう役立つのか
(2) 他のやり方では実現できないことか
(3) その技術を使ったことがあるか

この3つは非常に重要なポイントだと思いました。

「正しく実行する」の章では『稟議書を見直す「2つのタイミング」』と言うものが紹介されています。

どうあがいてもうまくいかない。今のやり方ではダメ。そんな時は一度リセットボタンを押すしかない。そもそも新規のプロジェクトはやってみないとわからない部分が必ず残る。稟議書に書いてあろうが何だろうが、当初のプランにしがみついてはいけない。
稟議書から解放されるタイミングは2つある。
①ぜんぜんうまくいってないとき
(中略)
②外的環境が変わったとき

この考え方を会社の役員が持っていることはとても幸せなことだと思います。
意思決定者がアクセルだけでなく、ブレーキを具備していることがわかると現場としてはとても心強いです。

ラストマン戦略」で頭角をあらわせ――自分を磨く

「ラストマン戦略」とは、グループ内で一番になれそうな領域を決め、「あの人がわからないなら、誰に聞いてもわからないよね」という、いわば最後の砦とも言うべきスペシャリストを目指す成長戦略だ。

専門性を磨くことで一目を置かれる存在になる、と言う戦略ですが、これを目指すには個人の努力だけでは難しい部分もある気がします。

組織の文化として、ジェネラリストを是とするのであれば、スペシャリストは育ちません。
この戦略は組織としての人材育成とセットだと個人的には思います

運よく組織としてもスペシャリストを育成したいと考えているのであれば、どの分野で「ラストマン」になるか、と言う選択になります。
選ぶポイントは人それぞれですが、個人的には「楽しいかどうか」が第一基準だと思います。
その分野を突き詰めるのであれば、やっていて楽しくないと続きません。
(技術であっても、製品であっても)

なので、それを見つけるためには小さく初める→判断する→方向転換すると言うサイクルの繰り返しになるとだと思いました。

「To Stopリスト」をいますぐ作る――生産性を上げる

To Stopリストを作る3つのタイミング
①何か新しいことをはじめるとき
②忙しすぎて業務がまわらなくなって来ているとき
③非効率な仕事が増えてきているとき

時間は有限なので、生産性を上げるためにはやるべき事に集中する必要があります。
本書では、それをするための仕組みづくりとしてTo Stopリストを上げています。

作成タイミングを引用しましたが、タイミングとしては②が一番多いような気がします。
やることが増えすぎた時は、やる時間を増やすか、やることを減らすかの二択しかないです。
概ねやる時間を増やすといいことはありません。

本書ではToStopリストに加える5つのことを上げています。

①定例会議
②引継がれた業務
③手作業のデータ集計・資料作成業務
④社内向けに提供しているシステムやサービスで利用者の少ないもの
⑤事故の再発防止策を重ねた結果、慎重になりすぎている仕事

いずれも見直す余地があるものであり、とても参考になりました。

全体的な感想

「やるべき事を絞ってやる事で、仕事の価値と効率を上げる」
文字にすると簡単ですが、実践するのはなかなか難しい内容です。

本書の内容は「何のためにやるのか」「それをやる事で誰の役に立つのか」と言う基準で仕事を選択し、それを効率的にやるにはどのようにやれば良いのか、と言う行動についても触れられています。

自分の「ラストマン」分野をじっくり考えたいと思いました。

編集後記

自分のいる業界(IT業界)に関する本を紹介する時はどうしても自分の意見が多いエントリーになってしまいます。いいのか、悪いのか。

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