自分の思考軸を作るために必要なこと
ハーバード、オックスフォード…世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方 福原 正大 大和書房 2013-10-23 |
グローバルにビジネスを展開していくと、様々なバックボーンを
もつ人たちと付き合うことになります。
そのような環境では、「自分はどんな人間なのか」といったことを
正しく相手に伝えるということが非常重要なことです。
このような画一的な答えがないものを考えるベースになるのは、
単なる知識ではなく、いわゆる「教養」です。
本書では、
「認識」「国家」「自由」「経済」「科学技術と自然」
という5つのテーマで考えることの重要性が記載されています。
哲学的な要素が多いので、本エントリーは引用中心に書きたいと思います。
■「認識」を磨く
「あなたはどんな人間なのか?」
この難題に向き合うにあたり、私は「認識」という一つの
キーワードを取り上げてみようと考えました。
「認識」こそ、その人自身を表す大事な要素だと考えるからです。
分類的な言い方をするならば、あなたの認識の仕方は、
より「アナリティック(分析的)」なのか、
より「ホリスティック(全体的)」なのか、
そんな尺度で考えることが可能です。
日本の文化のなかでは「まずグループがあり、その上で
個人がある」という順番が自然にまかり通っていますが、
決してそれが世界のスタンダードではありません。
出来事や事柄に対して、自分はどのように捉えるか/考えるのか、
ということを深く考えることは非常に難しいです。
■「自由」をつかむ
基本的に人は自由。
でも、他人に迷惑をかけるような勝手な振る舞いをしてはいけない。
(ジョン・スチュアート・ミル)
自由=人間が本来的に持つ道徳観(理性)に従って行動すること
(イマヌエル・カント)
完全な自由と完全な平等が成り立っている社会が理想だが、
現実的にそんなことは起こりえない
(アレクシ・ド・トクヴィル)
自由とはなにか、どういう状態が自由なのか。
平等とは本当により事なのか。難しい設問です。
■「経済」を知る
資本主義の社会では、自分のお金で、好きなものを
自由に買い(あるいは売り)、それを自分の所有物にすることができる。
市場価格は、商品に対して自然価格を支払う意識がある人々の
有効な需要に左右される。
(アダム・スミス)
資本主義が成功し、大企業化が進むと、世の中はどんどん社会主義的に
なっていく。そうシュンペーターは指摘しました
資本主義、社会主義の考え方の違いは正しく理解しておきたいところです。
近代史にも通じるところがあると思うので。
■編集後記
この本はいつも読んでる書籍よりも読後に疲労感が残りました。
理由は簡単。「いつも考えてないことが多いから」。
自分の思考が偏っている事がよくわかりました。
哲学的なことはあまり得意ではないですが、自分自身の
考え方の軸を知るという意味で、本書のテーマはじっくり考えなければいけませんね。
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