論理の『型』で効果的な資料にする
外資系コンサルの資料作成術—短時間で強烈な説得力を生み出すフレームワーク 森 秀明 ダイヤモンド社 2014-02-21 |
1週間後に、資料に基づいた説明を行える機会がめぐってきました。
(中略)こんなとき、どのように資料を作りますか?
本書の始まりの一節です。
このような状況はビジネスを生業にしている人なら、職種を問わずあるのではないでしょうか。
私が所属するIT業界でもお客様への提案やヒアリングなどをする際は、1週間くらいの期間で資料作成をします。
上記状況になった時に、どのような行動にでるか?
いきなりパワーポイントを起動して書き始めるのは人もいますが、これはNGです。
では、まず何をするべきか。
それは何を言いたいのか(主張)を決める事です。
本書は、主張を決めそれを論理的に構成するための『型』を
外資系コンサルティング会社を経験している著者の経験からまとめたものです。
考え方もそうですが、スライドのサンプルなども多数あり、
すぐにでも使えるものが沢山掲載されています。
■ドキュメンテーションキャンパス
ビジネスに関する資料作成には以下の4つの要件があります。
- 資料の表現が一目でわかりやすこと(ビジュアル)
- 筋の通ったメッセージがはっきりしていること(ロジック)
- 資料を作り上げる手順が実践的であること(アウトプット)
- 相手の関心事に沿った内容であること(コミュニケーション)
本書ではこれらの要件をどのようなステップで定義していくか、
ということをドキュメンテーションキャンパスというチャートにしています。
■論理パターン
論理を構成する要素は主に、「主張」「証拠」「保証」の3つです。
「保証」は「主張」と「証拠」をつなぐ要素です。
論理的な資料の構成は、これらの3つの要素を主張したい事に
併せて、いくつかのパターンに分類する事ができます。
本書で紹介されいるパターンをいくつか紹介します。
- 一対一論法(主張、証拠、保証が1つずつの構成)
- 並列論法(複数の事実を用いて帰納法で構成)
- 結合論法(ピラミッドストラクチャ構成)
- 連鎖論法(時系列構成)
これらは主張を論理的に説明するための『型』であり、
証拠や保証の内容により、使い分けをすることで効果を発揮します。
■アウトプット
いきなり論理的な資料を作成することは難しいので、
アウトプットにもステップがあります。
- メモ書き
- チャラ書き
- ホン書き
まずはメモ書きで、資料の簡単な構成を考え、チャラ書きでたたき台を作成します。
最後にホン書きでビジュアルやロジックの構成を反映した資料にします。
人の思考は一定ではないため、まずは手書きでざっと考えを出して、
最後に型に合わせて資料を完成させるイメージになります。
■編集後記
資料作成に関する書籍を2冊続けて紹介させていただきました。
2冊ともビジネスパーソンが日々作成する資料の質をあげるための
考え方やノウハウが詰まっていて、自分の今の仕事にもすぐに活用できるものになっています。
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