「見える」ことで何かが変わる
見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み 遠藤 功 東洋経済新報社 2005-10-07 |
本書のタイトルになっている「見える化」という言葉を
ご存知だろうか?
企業活動では「見えない」ものが多い。
例えば、現場や営業上でのトラブルなどは情報に即時性が
求められるが、実際は「報告書」という形であがってくる。
「報告書」という形であがってきたものはすでに「過去」の
情報である。即時性が求められるものは即時に情報が
連携され行かなければ意味がない。
「見える化」というのは、問題発生などの事象が
「目に飛び込んでくる」仕組みのことである。
「見る」は見ようとしないと見えないが、
「見える」は見ようとしなくても見える。
実例として有名なのはトヨタである。
トヨタの「アンドン」方式とは、生産ライン上でなにか
問題が発生した場合、作業者がライトを照らして、異常を
告示する仕組みである。「異常発生!」ということを
視覚でうったえることで行動を起こしやすくするというもの。
最近ではソフトウェア開発の現場にもトヨタの「アンドン」方式を
応用した「ソフトウェアアンドン」というものがある。
これは単体テストフェーズでテストが失敗したらPCの上にある
ライトが赤く点灯するというもの。
私は2台連続でDellでPCを購入した。
DellのWebサイトでは注文した後、自分のPCが今どの段階で
どこにいるのかがわかるようになっている。
「組み立て中」とか「船で輸送中」とか。
自分のものがいまどこにあるのかわかるというのは
すごくいい。「顧客に対する見える化」を実現しているといえるだろう。
本書ではトヨタやDellのように「見える化」を実現することで、
企業経営を活性化させている企業の実例がたくさん載っており、
ものすごく参考になる。
現場レベルからはじめられるものもあるので、
仕事をしていて、周りはバタバタしているのに、何が起きているのか
わからないという現場にいる人は是非一読を。
☆ 行動のトリガ
☆問題解決PDCA
お薦め度:★★★★★+飛び込んでくるという力
マインドマップ
つぶやき
ソフトウェアにおける「見える化」にはマインドマップも
利用されている。私も現場で実践を試みてはいるが、
中々うまくいかない。
何がいけないのか、考えなければ・・・。
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