How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント エリック・シュミット他著

世界一の技術者集団のまとめ方


How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント
エリック・シュミット ジョナサン・ローゼンバーグ アラン・イーグル ラリー・ペイジ

日本経済新聞出版社 2014-10-09
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Googleといえば、IT企業として誰でも知る存在になっていますが、
設立は1998年とまだ20年も経っていません。

その間、メインとなる検索エンジンからスタートし、無料で利用できる
gmailやgoogledoc、スマホOSであるAndroidなど様々なサービスを
開発しています。現在は自動車の自動走行なども実験的にやっています。

本書はそんな企業の内情を「中の人」が書いた一冊。
内容は目次の通り6つのテーマについて書かれています。

文化―自分たちのスローガンを信じる
戦略―あなたの計画は間違っている
人材―採用は一番大切な仕事
意思決定―「コンセンサス」の本当の意味
コミュニケーション―とびきり高性能のルータになれ
イノベーション―原始スープを生み出せ

本書の「はじめに」に書かれているあるエピソードを読んで、通常の企業とは
まったく違うな、と思いました。
そのエピソードとは以下のようなもの。

ジョナサン(当時のプロダクト責任者)はラリー・ページに、ゲートベース・アプローチの粋を
極めたプロダクト計画を提出した。目標や承認手続き、優先順位、そして二年先までに発売する
プロダクトとその時期が盛り込まれていた。まさに模範的出来栄えである。
(中略)
ラリーは気に入らないどころではなかった。
「担当チームが計画を前倒しで達成したなんて例を聞いた事があるかい?」
「じゃあ、計画なんて何のためにあるんだい?ぼくらの手足をしばるだけじゃないか?エンジニア連中のところに行って、話をしてみろよ」

通常ガバナンスを重視する企業ではこのような会話が経営層から
でてくることはまずありません。
「しっかり管理すること」が重要だと考えているからです。

一つの側面だとは思いますが、Googleという企業の内部を知ることができました。

 

■文化

Googleの文化の中で世間的に有名なのは「邪悪になるな」だと思います。
この価値観が経営者を含め、すべての基本になっていて、意思決定にも尊重されています。

Googleといえば、テレビなどで充実した福利厚生が報道されていますが、
実際仕事をする場所は、一人一人がパーティションで切られているような場所ではないようです。

本書によるとエンジニアは「狭い場所につめこまれて」仕事をしています。
この狙いは「エネルギーや交流を最大化すること」です。

思いついたアイデアをすぐに共有できる。
議論がすぐに巻き起こる。
こんな環境を作ることで、優秀なエンジニア(本書内ではスマートクリエイティブと定義)たちの
ちからを存分に発揮する事ができるとGoogleは考えています。  

 

■戦略

本書では成長を続けるGoogleの戦略について紹介されています。
その中で個人的にヒットしたのは「市場調査でなく、技術的アイデアに賭ける」という内容です。

教科書的なプロダクト戦略だと
 ・あるプロダクトのアイデアを思いつく
 ・市場調査をしてニーズや提供有無を確認する
 ・開発計画を立てる
 ・市場に提供する
 ・改善
といった流れで、市場調査の結果により、プロダクト販売戦略というものは変わっていくものです。

Googleでは以下の考え方で技術的アイデアを優先させています。

技術的アイデアとは、大幅なコストダウンに繋がったり、プロダクトの機能や使い勝手を数倍高めたりするような、新たな技術の活用法やデザインのことだ。
そこから誕生するプロダクトは、競合品と比べて本質的に優れている。その差は歴然としていて、マーケティングの努力などしなくても、
消費者はすぐにそのプロダクトが他のどのプロダクトとも違うことに気づく。

合理的と言えば合理的ですが、なかなか自信をもってこの戦略をとれるものではありません。

 

■人材

Googleには非常に優秀な人材が集まっています。
企業の知名度や20%ルールなどでクリエイティブな仕事ができるといったことが
優秀な人を集める動機付けにはなっていると思います。

ただ、有名だけにたくさんの人が採用に応募するため、どのような考え方で
採用をしているのか非常に興味がありました。

本書を読むとGoogleが採用活動を非常に重要なことと定義している事がわかります。
優秀な人を確保し続けるためのポイント抜粋するとこんな感じです。

ラーニングアニマルを採用する

自分より優秀な人を採用する

誰もがスゴイ人を一人は知っている

詳細は本書を読んでいただくとして、昔読んだビジョナリーカンパニー2の
「誰をバスに乗せるのか」を読んだときと同じ衝撃を受けました。

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■編集後記

このエントリーを書いている最中に2回も記事が消えました orz
ブログはectoを利用して書いているのですが、原因がよくわからないです。。。

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