相手を知ることで良いコミュニケーションを
心の動きが手にとるようにわかるNLP理論 千葉 英介 明日香出版社 2003-10-31 |
人と話しているときにどうも噛み合わないな?とか
「わかる」と言ってくれてるけど、本当にわかってるのかな?
と感じることがよくあります。
こう感じたときは明らかにコミュニケーションギャップが生じています。
では、なぜコミュニケーションギャップが起きるのか?
一般的には、
「立っている場所」
「見ているもの」
が違うからといわれます。
では、どうすればこの違いを埋められるのか?
本書では、このような疑問を体系立てて解説してくれています。
■NLPとは
NLP(Neuro-Linguistic Programming)とはあまり聞いたことは
ないかもしれません。私も本書で初めて聞きました。
日本語にすると「神経言語プログラミング」。
すごく簡単にいうと、NLPとは「なんとなく」を追求するものです。
「なんとなく伝わった」(とりあえず「わかった」と言ってもらった)
「なんとなく判った気がする」(概略だけ)
NLPは、こんな曖昧状況を打開するのに有効です。
コミュニケーションのポイントは「伝える内容」よりも
「伝え方」が重要です。
その理由は、コミュニケーションにおいて「伝える内容」は
全体の7%しか占めていないからです。
残りは、
音の調子:33%
視覚:55%
という割合で締めます。
つまり、『視覚』や『聴覚』という非言語的な部分の
方が重要度は高いのです。
非言語的なものが重要ならばそれに重点を当てるように
変えればいい。つまり、ボディランゲージなどを使って
イメージを伝えるようにします。
■代表システム(コミュニケーションタイプ)
非言語的なものに重点を当てればよいといいましたが、
その中でも重点を置くものは会話をする相手によって違います。
本書では、以下の3つに分類しています
視覚タイプ
イメージで伝える。図解などが有効。
聴覚タイプ
文字を頭の中で組みたてる。詳細な情報を使って伝える。
体感覚タイプ
ジェスチャーを使って、体感的に伝える。
これらのタイプがわかるだけでも、「伝え方」がうまくなります。
■NLPを自分へ適用
NLPでは『アウトカム』という定義しています。
アウトカムは、
目的
目標
ゴール
望ましい状態
成果
で構成されています。
これはセルフマネジメントにも有効です。
自分がどこに向かって走っているのかというのが
わからなければ、学習していても仕事をしていてもプライベートな
計画を立てていても遠回りしてしまいます。
アウトカムの各フェーズを正しく定義し、フェーズの終わり毎に
確認・修正していくのが、うまくいく秘訣かもしれません。
■まとめ
本書で書かれている内容のポイントは『いかにうまく伝えるか』だと思います。
うまく伝えるために、相手を知り、それにあわせることで、
コミュニケーションを向上させていく。
当たり前に言われていることを体系立てて説明されているため、
わかりやすいでした。
☆代表システム別接し方
☆自分の中にいる3人
☆「なんとなく」排除
★★★★☆+伝え方テクニック
書評後記
本書を読んで、周りの人の代表システムを考えてみました。
ある後輩:受動的な視覚タイプ
ある先輩:詳細型の聴覚タイプ
受動的な後輩に対して、「やり方は任せる」なんて
言ったことがあります。
詳細型の先輩に対しても、「大枠こんな感じです」と
報告したことがあります。
ギャップを生むもとですね。
これからは気をつけていきたいです。
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