目的・プロセス・結果を常に意識することでしか成長は得られない
47原則―――世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか? 服部 周作 ダイヤモンド社 2016-07-08 |
ダイヤモンド社柴田さまより献本いただきました。ありがとうございました。
「仕事ができる」と一般的に言われる人たちは普段どのようなことを意識して
仕事をしているのでしょう。
出社してまずはメールのチェックをして、それに返信しきってから本来の作業に望む。。。
もちろん、そんなもったいない時間の使い方はしません。
「仕事ができる人」は朝一で「一番やりたくない、一番時間がかる仕事」から取りかかります。
本書はマッキンゼー出身の著者が長年まとめてきた仕事における「ルールブック」です。
本書に記載されている内容の一番のポイントは「意識と実践」です。
ひとつひとつの原則は知っているだけでは意味がありません。
この原則を意識して仕事をする(実践)ことが「すごいこと」になると感じました。
仕事を始めたばかりの方だけでなく、私のようにだいぶベテランになっている
ビジネスパーソンにもお勧めの一冊です。
■先手を打つ
仕事を上手に遂行するために必要なことは「準備」に他なりません。
準備ができているか否か、開始してすぐにやるべきことは何か。
本書では6つの原則としてまとめられています。
原則1:きつい仕事は午前中に片付ける
原則2:すべての問いに30秒以内で答える
原則3:アウトプットをイメージする
原則4:前半戦が勝負の分かれ目、序盤に全力を注ぐ
原則5:小さなサインを見逃さず、大きな成果を上げる
原則6:本当に重要なポイントを見逃さない
この中で重要だと感じたのは、原則4と原則6です。
「原則4:前半戦が勝負の分かれ目、序盤に全力を注ぐ」はスタートダッシュが重要という
ことなのですが、アウトプットのイメージを固め、疑問点は聞くことで解消、作業計画の
落とし込みまでをいっきにやることで、その後の作業の生産性、アプトプットの品質を高めることができます。
当たり前といえばそれまでなのですが、これをやるためにはインプットとなるものを読み解く力や
情報を分解して理解する力も必要になります。
「原則6:本当に重要なポイントを見逃さない」は本質を捉えることが大事ということです。
例えば、資料を作成するときに、その中身でなくビジュアルにこだわりすぎてしまうと、
本来必要なものに使うべき体力を別のものに使うことになってしまいます。
■生産性を極限まで高める
個人としての生産性、チームとしての生産性を高めるための原則がまとめられています。
一個人には限界があり、仕事をする上ではチームプレーはかかせません。
5人チームは5人の生産性×5でなく、それ以上のものにすることができます。
原則34:To-Doリストを4つに分類する
原則35:プロセスではなく、成果に目を向ける
原則36:メールは「5Dルール」でどんどん処理する
原則37:会議の主旨を前もって把握する
原則38:会議は大小を問わず、議題リストを必ず準備する
原則39:できるだけ早く発信する
原則40:ごくシンプルな6つのテンプレートを作る
原則41:最新情報を共有する仕組みをつくる
この中で特に重要だと感じたのはやはり「会議」に関する原則です。
新しい仕事を始めるとどうしても会議が増えてしまいます。
それを適切に管理することが生産性を向上する原則だと感じました。
「原則37:会議の主旨を前もって把握する」は、各会議がどのような内容なのかを
把握し、それを開催必要可否も含めて判断するもの(単なる情報共有ならやらない、など)。
「原則38:会議は大小を問わず、議題リストを必ず準備する」は会議の目的を時間内に
達成するために必要な原則です。
つい最近自分が開催した会議で「この会議の目的ってなんでしたっけ?」と参加者の方から
指摘された反省も踏まえて実践していきたい原則です。
■全体的な感想
原則をひとつずつ読むとそれぞれにエピソードが記載されていてとても実践的な一冊でした。
本書を読んでこの中のいくつかでも実践に移し、その結果をうけ、身につけていきたいです。
本書は5章構成になっていて、各章の最初に著名人の言葉が引用されています。
個人的に響いたのは、第1章の映画マトリクスからの引用文です。
「道を知ることと、実際にその道を歩くことは、別物だ」
この言葉は実践の大事さを物語っています。
何かを成し遂げるときに、そのプロセスを知っていても実際にやるとやらないのでは
雲泥の差があります。
昔読んだ本(どの本かは忘れましたが、確か勝間和代さん)に
「要はやるか、やらないか」
という一文があったことを思い出しました。
知っているだけのことと、実際にやることでは全く違います。
最後に、献本いただいてから紹介するまでに大分時間が経ってしまいました。
折角いただいたのにすみません。
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