結果を出すには行動(プロセス)が大事
すごい「実行力」 (知的生きかた文庫) 石田 淳 三笠書房 2007-06-20 |
「行動科学マネジメント」でお馴染みの石田さんの著書。
同じ事をしていても「できる人」「できない人」に分類されてしまうのは、
なぜでしょう?
それは『行動の反応率』の違いです。
できる人は、『want to行動』をとっているのに対し、
できない人は『have to行動』をとっています。
この差が人のモチベーションに繋がり、反応率に違いが
でてくるのです。
本書では、「行動科学マネジメント」を利用した『実行力』が
完結に書かれており、明日からでもすぐ実行に移せる内容になっています。
モチベーションを高く保つ『実行力』を身につけるには
どうしたらよいでしょうか?
本書では、そのポイントは以下の3つにあると書かれています。
①行動の動機付け条件を作る。
②行動を測定する。
③行動を妨げるものを排除する。
(本書より引用)
■動機付け
『動機付け条件と目的は違う』
行動には動機付けが必要です。
人が何かを行動に移す場合、必ずといっていいほどそこには
動機付けがあります。
「空腹を満たしたいから食事を取る」
「部屋をキレイにしたいから掃除をする」
これらはそれぞれの動機付けにより、行動をした例です。
ビジネスパーソンの方は、この動機付けと目的を取り違えている
場合が多いです。
例えば、
「仕事を効率的にこなしたい」
というのは、動機付けでしょうか。
これはあくまで目標(目的)であって、
行動に直結する動機付けではありません。
行動に直結する動機付けとは、例えば
タスクを正しく管理したい
⇒メモ帳を持ち歩き、発生毎に書き留める
⇒書き留めたものを昼と夕方に見直す
⇒その中から優先順位付けを行い、やることとやらないことを振り分ける
といったように、行動に直結するものでなければ、
モチベーションにはつながりません。
『ニードとメリット』
行動に直結する動機付けのポイントは「ニード(必要性」と「メリット(利点)」の2つです。
人が行動をするときは無意識ながらこの2つを軸に
行動しています。
続けたいけど続けられない行動はニードとメリットを
満たす動機付けが足らないということ、
逆に、やめたいのにやめられてないのはニードと
メリットが強い動機を持った行動のため、やめられないのです。
『意図的な動機付け』
本書の中で、意図的にニードとメリットを強化する簡単な
方法がいつくか紹介されています。
【実行力カレンダー】
ある行動ができた日にはカレンダーに印をつけます。
カレンダーは部屋の見えるところに常に置いておく。
そうすることで、自分の実行結果を「見える」形に
することができます。
これは私もやったことがありますが、かなり効果的です。
決まった回数の筋トレをやった日の日付には○をつける、
というルールのもと筋トレを始めました。
やっていくうちに、
「カレンダーに○をつけるためにやる」
と気が乗らない日も続けることができました。
【実行力カード】
実行したことをポイントカードのような形でつけておく。
実行力カレンダーと似ていますが、同じような効果が期待されます。
○○ポイントたまったら、欲しいものを買ってもいい、といった
ルールをはじめから決めておくのも効果的です。
実行力カードを使用する場合の注意点は、
ハードルを高くしないことです。
ポイントをつけるハードルを高くしてしまうと、ポイントがたまらず
だんだんやるのが、嫌になってしまいます。
■測定
『ビジュアル化』
測定には、グラフが一番分りやすいです。
測定結果が数値のままだと、なんとなく減った・増えたが一目で
わかりづらく、効果が確認しづらいからです。
『何を測定するのか』
測定するときのポイントはどの行動を測定するかです。
測定して行動自体は増えているのに、結果につながらない、
そのようなことに落ちいらないためにも、重要なポイントです。
測定するポイントは
・それは結果につながる行動か?
・継続に必要な行動か?
の2つです。
■ライバル行動を減らす
増やしたい行動・もしくは減らしたい行動をターゲット行動といいます。
それを妨げる行動をライバル行動といいます。
ターゲット行動を自分が望む形にするためには、
それを妨げるターゲット行動を減らす必要があります。
例えば、『早起きをする』という行動を増やす場合の、
ライバル行動は『夜更かし』です。
では、このライバル行動を減らすにはどのように
すればよいでしょうか?
『夜更かし』のメリットが「みたいTV番組が深夜にある」だった場合、
それをリアルタイムでみるのでなく、録画してみるようにします。
このようにライバル行動の動機付けを探し、
減らすことでターゲット行動を増減することが可能になります。
■まとめ
人が行動を起こすことを科学的な見解のもと、どのようにすれば、
自分が望む実行に移せるのか?ということが分りやすく書かれた一冊でした。
本書の最後のようにでてくる『失敗の正当化』という言葉が
とても印象的でした。
「XXだから仕方がない」と自分に言い訳していては、
いつまでたっても行動を変えることはできません。
「自分はどうしたいのか?」
という自分との対話の重要性を改めて感じました。
☆結果につながる行動
☆言語化
☆行動の見える化
お薦め度:★★★★★+仕組みによる実行
編集後記
「動機付けにより人は行動する」
この「動機」の部分の認識が今まで間違っていたことが
本書を読んでよくわかりました。
これは自分に対してだけでなく、後輩などにものを
教えるときにもとても大事なエッセンスだと感じました。
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