『引き出し』を増やすための”数字力”
ビジネスマンのための「数字力」養成講座 小宮 一慶 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-02-27 |
世の中には様々な数字があふれています。
日々新聞を読んでいてもGDP、日銀短観など自分にどう関わっているかは
わからないけど、様々な数字と定義がでてきます。
本書は、ビジネスマンの周りにあふれている様々な数字に焦点をあて、
磨き方や活かし方が記載されています。
前著の『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』と同様読みやすく
分りやすい内容です。
■数字力とは
数字力とは以下の3つに分類されます。
- 把握力:全体を把握する力
- 具体化力:具体的に物事を考える力
- 目標達成力:目標を達成する力
これら3つを磨くことはビジネスパーソンにとって大事であり、
様々な角度から物事を捉えることができます。
■把握力
全体的な数字を抑えることで物事を俯瞰で捉えることができます。
把握力の一番のポイントは定義と関連付けです。
【定義】
定義はその数字が何を意味していて、どういう計算で算出されているかを
理解するために必要です。
定義を理解するためには大まかな数字も知っておく必要があります。
GDP(国内総生産)の「付加価値」ってなんだかわかります?
私は即答できませんでした。。。
【関連付け】
数字と数字を関連付けることでできるようになるのは『基準』を
もてるようになることです。数字と数字の関係が分っていると
別の事柄に対して推論ができるようになります。
例えば、GDPとXXXが分ると自分の給料とGDPの関係を推測できます。
(XXXは本書を参照)
関連付け・推論というキーワードは、前著の『発見力』や細谷さんの『地頭力』にも
通ずる内容でした。
■具体化力/目標達成力
数字化のメリットは具体的な形になるということです。
当たり前のようですが、日々の仕事上の報告などをキチンと数字で
できているでしょうか。
数字化⇒具体化⇒現状把握
というプロセスを踏むことで、目標とのギャップを知ることができます。
ギャップを知るとその後の行動が変わってくると思います。
数字を使った『見える化』 を習慣づけることが仕事や個人の
目標達成プロセスを明確にし、改善ポイントを明示してくれます。
■マクロとミクロ
マクロ(日本経済)とミクロ(自社)に関する大まかな数字を把握するだけで、
物事に対する見え方が変わります。
本書の付録には「最強ビジネスマン必須マクロとミクロの数字20」という
一覧がついています。この一覧を改めて眺めてみると自分が
数字の定義を正確に知らないかがわかりました。
■数字力を高める習慣
本書では数字力が高まる習慣として、次の5つが挙げられています。
- 主な数字を覚える
- 定点観測する
- 部分から全体を推測する
- 数字を関連付けながら読む
- 常に数字で考える
この5つのことを実施することで自分の中で数字的な基準を
持つことができ、数字で考える習慣がつきます。
■感想
学生のときと違って社会人になると、日々触れる数字というのは一つの定義に
対してどんどん変化していくというものばかりです。
私はそれになかなか慣れることができませんでした。
本書にある数字を「時系列」で捉えるという考え方は、
とてもためになりました。
「数字力を高める習慣」にあった、日経新聞の景気指標観測始めました。
これを続けることで自分の中で何が変わるか楽しみです。
■編集後記
5月の終わりに著者の小宮さんのセミナーに参加してきます。
どんなお話が聞けるのか今から楽しみです。
■マインドマップ create by jude-think
■トラックバックさせていただいたサイト
精神科医が読み解く、ビジネス・投資・自己成長のヒントになる本さん
■関連エントリー
コメント