ウェブ人間論 梅田 望夫 平野 啓一郎 著

ウェブ上での人間進化論


ウェブ人間論 ウェブ人間論
梅田 望夫 平野 啓一郎

新潮社 2006-12-14
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ウェブというものが世の中に大きく広まったのは、1995年。
Windows95の発売をキッカケにそれまでは限られた人だけが
つながっていた世界に多くの人がなだれ込みました。
この大きな変化から約10年経った今、ウェブというものを
通じて人間はどのように変化してきたのか?
また、これからどのように進化していくのか?
本書はこのような内容が「ウェブ進化論」で有名な梅田 望夫氏と
作家の平野 啓一郎氏の対談形式で書かれています。


■ウェブという存在
ウェブというものの登場で人間には何が起こったか。
それは今までの数倍~数十倍の量の情報を選れるようになったこと。
また、自分を表現する場が増えたことです。
Web1.0と呼ばれていた時代は、一方向のみの情報発信でしたが、
Web2.0となった今は、ブログやSNSなどをはじめとする
双方向情報発信ツールが普及しています。
これにより、個人のアイデンティティをウェブ上にもつということが
可能になりました。
■ウェブ上での人間論
ウェブの存在により、個人が自由に情報発信できるようになりました。
その結果、ウェブ上で個人が進化するようになったのです。
進化というと大げさに感じるかもしれませんが、
『ブログによる双方向コミュニケーションでの成長』や
『膨大な情報の中から質の高いものを見つけるという収集&選別力』
などを考えると進化というのは大げさではないのかもしれません。
そもそもウェブ以前を考えるとはるかに自己実現の
場が増えました。
■メディアとしてのウェブ
電子Bookなどが普及していくと本というものの
存在が危ぶまれるのではないか?
そんな懸念を聞くことがあります。
しかし、本の優位性はウェブの利便性をしのぎます。
本の優位性は簡単にまとめると以下の3点
1.パッケージ性
本はパッケージ化されたものです。
ウェブの分散された情報よりも扱いやすい。
2.ストックされたもの
ウェブでの情報は主にフロー。
本で扱う情報はストックである。
3.構造的
1. 2. とも関連しますが、「構造的まとまり」というのが
本の一番の特徴であり、優位なところでしょう。
■まとめ
今回は書評も簡単なものになったしまいましたが、
本書の内容はとても考えさせられるものでした。
私はウェブ転換期の1995年はまだ高校生でした。
その当時は「Windows?」「Mac?」という感じで、
ウェブというものをまったくといっていいほど
知りませんでした。
そんな私もこうしてブログで情報発信をしています。
今までの10年を振り返り、これからの10年を想像すると
人間はまだまだ進化していくものだと感じられる一冊です。


☆時空の変化
☆ウェブによる自己発見
☆Web2.0
★★★★☆+ウェブ人間進化論


書評後記
ウェブを上手に活用することがとても大事だと思いました。
私の中ではウェブはあくまでツールです。
使う人間によってどんなものにでもなると思っています。
便利なものをうまく活用する感性+技術。
これも一種の進化なのかもしれません。


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ウェブ人間論

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