人を本気にさせるための文章とは
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読むだけであなたの仕事が変わる 「強い文章力」養成講座 川上 徹也 ダイヤモンド社 2014-06-12 |
ビジネスしている日常的にメールを書いたり、提案書や企画書など
「人に何かを伝える」「人に動いてもらう」ための文章をたくさん書きます。
これらの文章は「ただロジカルであること」「だた正論であること」では
通用しません。
では、どのような文章がよい文章なのでしょうか。
本書はコピーライターである著者が人を本気にさせる「強い文章」の
作り方を講座形式で記載しています。
言っていることは正しいのに、中々人が動いてくれないと悩んでいる
ビジネスパーソンにオススメな一冊です。
■人は「自分ごと」にしか反応しない
「強い文章」を作るためにまず必要なのは、「何を伝えるか」と
いうことです。本書では伝えるべき事を以下の3つに分類しています。
ファクト(Fact)
メリット(Merit)
ベネフィット(Benefit)
いずれも重要な要素なのですが、「自分ごと」に一番直結するのはベネフィットです。
ベネフィットがその人に合致するものであれば、その人に対してその文章は強くなります。
何を伝えるか、が決まった後は「どう伝えるか」ということが重要になります。
「ベネフィットはありそうだけど、自分に関係があるのか」
という状態の人には伝え方が重要になります。
本書で述べられている伝え方のポイントは以下の3つです。
・パンチのある強い言葉を使う
・相手の心に無理矢理にでも「興味」を作り出す
・思わず口にしてしまうリズムや語呂を意識する
これらの詳細は本書を見ていただくとして、 「パンチのある強い言葉を使う」の
解説部分は個人的にヒットでした。
■伝え方の型
「どう伝えるか」のポイントは先に取り上げましたが、相手のこころを
つかむための伝え方には型があります。
本書では挙げられてい型は以下の5つです。
- ターゲットをぐっと絞って呼びかける
- 問いかけて心の中で答えさせる
- びじっと言い切る
- 具体的な数字を魅力的に入れる
- 心の底から真剣にお願いする
1つ目の型の例としては
「ビジネスパーソンの皆さん」
より、
「20代で仕事に追われて自分の時間が取れないと感じているビジネスパーソンの皆さん」
の方が後者に該当する人に対して訴求力が強いです。
■編集後記
本書の中にでてくる「アリストテレスの3原則」を利用した文章作成例は
個人的にとてもヒットしました。
アリストテレスの3原則といえば、
「ロゴス(論理)」「パトス(情熱)」「エトス(信頼)」
です。
この3原則は文章を作成する上でもとても重要なのですが、
どの部分を強調するかで文章の内容が異なってきます。
エトスが重要な例として、スティーブ・ジョブズの名言が挙げられています。
ハングリーであれ、馬鹿であれ。
ステーブ・ジョブズ(アップル創業者)
これが、
ハングリーであれ、馬鹿であれ。
鈴木太郎(48歳 フリーター)
となっていたら、確かに心に響きません。
このような事例も本書にはたくさん掲載されていて、
本当の講義を受けているようでした。
■関連エントリー
明日、会社がなくなっても、自分の名前で勝負できますか? 川上徹也著
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