ビジネスマンのための「読書力」養成講座 小宮 一慶著

勉強に王道なし



ビジネスマンのための「読書力」養成講座
ビジネスマンのための「読書力」養成講座


小宮 一慶

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-09-15
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読書や勉強に関する書籍が最近多く出版され、売れています。

これは多くのビジネスパーソンが「学び」に関して

貪欲になっている証拠だと私は思います。

本書は、「読書は最高の勉強法」として、レベル別に

5つの読み方を記載しています。

知識のエンジンを効果的に積換えたい人は是非読んでみてください。

■読書は最高の勉強法

  読書はその内容を学ぶだけでも十分勉強になりますが、

  自分が現在持っている知識との付けあわせを行うともっと強力なものになります。

  そのときに重要となる指標が論理的思考力のレベルです。

  自分のレベルと書籍のレベルがあっているかどうかで読み方が変わるからです。

  自分の論理的思考力レベルより高い書籍を速読で読んでも、

  情報は得られますが、思考力をあげることはできません。

  本書では思考力を上げる(頭をよくする)ポイントがいくつか紹介されています。

  《本の選び方》

    新しいものを学ぶ際は、まずその分野の第1人者の本を選んだ方がいいです。

    第1人者の本は高い思考力レベルで書かれています。

    そのレベルのものを選ぶことで、思考力を上げる読書ができます。

  《目的別に読み分ける》

    「情報を得る」「知識を習得する」など読書の目的は様々です。

    目的が違うのであれば、時間のかけ方、内容の追い方などが変わってきます。

    本書では、以下の5つの読み方について書かれています。

    ・速読
    ・通読レベル1
    ・通読レベル2
    ・熟読
    ・重読

 
    この目的別読みわけが本書のメインコンセプトになります。

■速読

  速読は情報を得るための読み方です。

  情報を得るのが目的であるため、本に書いてあるものを『深さ』を得ることができません。

  ですので、自分の思考レベルより高いものを速読しても

  得られるのは浅いレベルの「情報」「知識」だけです。

  速読は、ある程度知識がある人が情報を読み取るための

  読み方であるため、新しい分野を学ぶ際は不向きです。

  普段仕事をしていて、会議用の資料にざっと目を通し、必要な情報だけを入手する。

  自分がいつも学んでいる分野で新しい本が出たので、ポイントを抑える

  こんなときは速読は有効な読み方です。

  本書の中では、

    速読は速く読むではなく、速く手に入れる

  ものだとしています。

  速読は、ベースとなる知識があってこその読み方になります。

  なので、これだけでは、思考力レベルを上げることはできません。

■通読

  通読は、いわゆる本を始めから最後まで読む一般的な読み方です。

  本書では、この通読を「レベル1」「レベル2」の2段階に分けて説明しています。

  《レベル1》

    レベル1は全体をざっと読んで知識を得る読み方です。

    入門となる書籍を読み、そこからベースとなる概念を得ます。

    著者は「仮説を検証する」読み方を薦めています。

    自分が持っている一定の仮説がずれていないか、

    また間違っていた場合の理由なども本から得ます。

      ⇒自分の中での「仮説」をどのように構築するかがポイントだと

        思います。仮説を立てるにもあらゆる情報を自分というフィルターを

        通じて整理する必要があると私は考えています。

  《レベル2》

    通読レベル1で入門書によって学ぶ分野の「深さの入り口」に到達できます。

    そして、通読レベル2では知識の深みに入ってきます。

    レベル2では、本に線やマーキングをしながら読んでいきます。

    著者が言っている内容に対して、自分の意見や関連する事柄を

    随時書き込みながら吸収していきます。

    吸収することで思考レベルを高めます。

    通読レベル2からは、読書による学習になります。

    レベル2の対象書籍は専門家が専門的に書いた書籍です。

    専門家が書いた本のロジックを追うことで自分の力を蓄積します。

      ⇒本を出す人はどう考えても自分より頭の良い人が多い。

        そう考えると表面をさらっと読むだけでは何も得られません。

        読書を「著者との対話」と捉えると対話するために

        必要な知識はキチンと得ておかないといけませんね。

  レベル1とレベル2の違いは、ロジック(中身)の重さです。

  つまり、この分野について「深く学ぶべきかどうか」で判断します。

■熟読

  熟読は

  ・知りたいことだけを、きっちり論理立だてて読む
  ・多くのことを関連付けながら読む

  ことです。

  2つ目の項目がポイントです。

  書籍を1冊だけでなく、他の情報と付け合せながら読むことで自分で応報可能なものにしていきます。

  つまり、自分が「どうやって使うか」まで落とし込むことです。

  入門書は難しいことを簡単に記載していますが、多くの「行間」を含んでいます。

  その「行間」はその分野のベースとなる考え方を理解していないと読み取れません。

  本気でその分野を勉強しようと思うのならば、

  ベースとなる考え方をきちんと深いレベルで理解するほうが一番の近道なのです。

    ⇒「勉強に王道なし」ですね。

■重読

  重読は文字通り「何度も繰り返し」読むことです。

  本は、読んだ時の状況やそのとき持っている知識や経験などに

  よって得られるものが違います。

  繰り返し読むことで、知識を高めることができます。

  重読にふさわしい本は

    ほんとうに人生を知った人が書いた本

  です。

    ⇒私は社会人2年目くらいにドラッカーの本を読みました。

      その時感じたとことはドラッカーが伝えようとしたことの

      数パーセントくらいなのだと思います。

■感想

  読書を通じて勉強することの指南書といってもいい一冊でした。

  小宮さんは「発見力」「数字力」「解決力」「読書力」とホントに多くの引き出しを持っておられます。

  引き出しの多さの秘訣が本書には詰まっていると感じました。

  本書の中には読み方別に

  「会計」
  「経済」
  「マーケティング」
  「ヒューマンリソース・マネジメント」

  という分野で小宮さんがお勧めする書籍が紹介されています。

  紹介書籍から学べること、どういう本が名著なのかということを

  丁寧に説明されています。

  自分が弱いな~と思う分野が多いので、早速購入して読んでみます。

■編集後記

  先日、「容疑者Xの献身」を見てきました。

  この映画をみて改めて数学を学びたいな~と思ったので、以下の書籍を購入。


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コメント

  1. hikawa55 より:

    はじめまして、いつも書評を読ませていただいております。
    わたしも書評というか読書感想のブログを書いているものなのですが、ついつい本の抜書きに終始してしまうところがあり、長谷川さんの書評の書き方は、しっかりと内容をかみ締めた要約となっており、参考にさせていただいています。
    いつもマインドマップを書かれておられますが、このあたりが書評上達のコツなのでしょうか?
    今後とも、書評の更新を楽しみにしております。

  2. hikawa55さん、こんにちは!
    コメントありがとうございます。
    >長谷川さんの書評の書き方は、しっかりと内容を
    >かみ締めた要約となっており、参考にさせていただいています。
    ありがとうございます。
    マインドマップは個人的にポイントだなと思うことを
    ピックアップするのに使ってます。
    あとは、ツラツラと。。。
    >今後とも、書評の更新を楽しみにしております。
    更新頻度を上げられるようにがんばります。

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