ビジネスマンのための「解決力」養成講座 小宮 一慶著

知識はツール



ビジネスマンのための「解決力」養成講座 (ディスカヴァー携書 (025))
ビジネスマンのための「解決力」養成講座 (ディスカヴァー携書 (025))


小宮 一慶

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-06-15
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仕事をしていると日々問題にぶつかります。

発生した問題に対して、毎回適切に対処できている

ビジネスパーソンは(私も含め・・・)多くは無いと思います。

・問題は発生しているけど、なんとなく棚上げ

  ⇒その内棚下ろされてアタフタ

・問題に優先順位をつけて取組んでいる

  ⇒優先順位付けを見誤ってアタフタ

このような経験のある人に本書は必見です。

本書は、『解決力』にフォーカスを当てた一冊です。

コンサルタントである著者が問題を特定し、解決するまでに

必要なこと、および解決するに必要な力を述べています。

本書の帯にある一言がとても印象的です。

「解決」できなきゃ意味がない! 

■問題の定義と行動

  『この方法はこういう問題があります』

  『その問題は解決済みです』

  など、問題という言葉は様々な使われ方をします。

  では、問題とは何でしょうか?

  本書では、問題とは『好ましくない現象』であると定義しています。

  《問題の認識》

    人には一種のバイアスがかかってしまっている事があるため、

    問題を問題として認識することができない場合があります。

    問題を問題として認識するためには、「事実」と「仮説(憶測)」を正しく分類することです。

    この2つを混同して考えてしまうと、正しい問題が特定できません。

   《まずとるべき行動》

    問題が発生した際にまず行わなければならないことはなんでしょうか?

    ビジネスを遂行していく上では、「報告」でしょうか?

    まず行わなければならないことは、「被害の拡大を防ぐ」ことです。

    それ以外の行動はすべて後回しにするべきです。

    問題発生後にとるべき行動も正しい優先順位付けが必要です。

■優先順位付け

  好ましくない現象である問題は、常に一つだけというわけではありません。

  複数同時に起こるものです。

  多くの問題の中から、最優先で解決するべき問題を特定する、

  つまり優先順位をつけることが問題解決の第一歩です。

  優先順位付けのポイントは3つ

  ・基準をもつ
  ・常に変化することを意識する
  ・問題の芽を摘む

  《基準をもつ》

    優先順位付けは複数の問題を振り分けるという行為をします。

    振り分けという行為には、必ず基準が必要になります。

    価値観ベースの正しい基準を持つことで、ぶれない優先順位付けを行うことができます。

  《常に変化する》

    優先順位付けは一度行ったら終わりではありません。

    行ったときは、ある問題の緊急度は低かったが、

    時間が経つにつれて高くなることもあります。

    ⇒個人的にこれは当たり前のようで、なかなかできていません。

      一度振り分けを行うと安心してしまって、以降見直しが行われない。

      その結果、優先すべき問題が隠れてしまう。

      そんな経験をしたことがあります。

  《問題の芽を摘む》

    優先順位付けを行った結果、優先順位が低いと判断された

    問題は暫く放置されがちです。

    しかし、優先順位が低いからといって放置していると

    そこから新たな問題が発生する可能性があります。

    問題になりそうな問題の芽は早期に摘むことで、問題の絶対数を減らすことができます。

■解決策の策定

  問題の優先順付けができたら次に解決策を考えます。

  問題は様々な要素により構成されています。

  解決策は、問題を細分化し根本的な問題に対して行います。

  《根本問題の特定》

    根本問題はどのように特定すればよいでしょう?

    問題の細分化アプローチはロジックツリーなどの手法を使って行うのが一般的です。

    このような手法を知っているかどうかで、根本問題へたどり着くスピードや

    正確性が変わってきます。

    『知識はツール』

    本書の中で一番心に残った一言です。

    本書では、ロジックツリーを使った特定方法が紹介されています。

    ツリーを作成していくと、ボトムアイテムの原因がトップアイテムである

    というループに成ることがあります。

    それを「ネガティブループ」といいます。

    ネガティブループが現れたら、今あがっているアイテムの

    中から根本問題と思われるものを探します。

    根本問題と思われるものが特定できたら、

    「なぜ?」「本当?」「それから?」

    という問いかけをし、さらに深堀していきます。

    このようなプロセスを経ることで、問題が特定されます。

  《対応可能性》

    特定した根本問題が自分達で対応可能かどうかの判断をします。

    自分達のテリトリーをこえたもの(例えば、政治や為替)などが

    根本原因になっていた場合、対応できるものを探します。

    自分達が対応可能なものを見つけて、一つ一つ潰していく

    それを繰り返すことで問題は解決に向かいます。

■解決策の実行

  解決策が作成できたら最後は実行です。

  解決策の実行に関して、ポイントだと感じたところをいくつか紹介します。

  《意識の共有》

    問題の解決はある程度の大きさを超えると一人ではできません。

    チームで問題解決に取組む際に、解決策に関する意識の共有ができていないと、

      「あんたやれよ」

    という状態になってしまいます。

    解決策という「意味」よりも、解決するんだという「意識の共有」重要です。

  《検証が要》

    解決策を実行する際の要は「検証」です。

    本当にその解決策が正しく適用できたのかを検証するために責任者を立てます。

    問題解決の成功率を上げるには、仮説に基づいて策定した解決策を

    検証することがとても大事です。

■感想

 「発見力」「数字力」と同様本書もページ数は少ないながらとても中身が濃い一冊でした。

   問題の特定⇒優先順位付け⇒解決策策定⇒実行

  
という問題解決のステップが分りやすく書かれています。

 
優先順位は常に変化するというところが当たり前のようで、気付けてなかったことです。

 
優先順位付けは日々変化するため、

 
一覧表などで管理する際も、期限を設けて優先順位を移動させていく必要がありそうです。

  「コンサルタントの技」

  「解決力を高める習慣」

 
という2つの章は紹介はしませんでしたが、

 
問題解決を実行するさいにとても有益なことが記載されていました。

■編集後記

  本書の中で、「現在自分が問題だと思うことを書き出してみる」

  ということを行ったのですが、ありすぎです。。。

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コメント

  1. 活かす読書 より:

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