言葉の力はすばらしい
ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く! 梅田望夫 文藝春秋 2008-02-28 |
本書は著者である梅田さんが、長年かけて集めたビジョナリー(シリコンバレーで
人並み以上の能力を持っている人の呼称)の言葉集です。
5つの定理というのは集めた言葉を梅田さんなりにカテゴライズしたもので、
以下の5つです。
- アントレプレナーシップ
- チーム力
- 技術者の眼
- グーグリネス
- 大人の流儀
本書に掲載されている言葉は、私にとってすごく刺激的でした。
その中から、特に印象的だったものを紹介します。
なお、本書内にある言葉の一部は、Web上で見れます。
梅田さんがまとめたものがここで紹介されています。
■アントレプレナーシップ
アントレプレナーシップとは何でしょう?
日本ではよく「起業家精神」とか紹介されますが、本書の定義は
新しい物事に対して創造意欲に燃え、リスクを引き受けて果敢に挑む姿勢、不確実な未来を楽しむ精神の持ちようなどを言い表すもの
としています。
ここで紹介されているものをいくつか紹介します。
【変化の予兆を感得せよ】
パラノイア(病的なまでの心配性)だけが生き残る アンディ・グローブ
変化が激しいIT業界では、変化に対して常に気を張っていなければいけません。
それを一言で言い表した言葉です。
アントレプレナーとは関係ないですが、最近仕事関係で思ったことがあります。
それは『PMが心配性だと、品質が上がる』です。
【シリコンバレー独自の論理】
明らかに世界は「良い場所」になっているよ。
これまでは大金を持った大きな組織の人たちでなければ
できなかったことも、個人ができるんだから。 スティーブ・ジョブズ
アップルCEOのスティーブ・ジョブズの言葉です。
世の中の力関係のシフトを言い表した言葉です。
■チーム力
成功している企業は必ずといっていいほど、堅牢なチーム力をもっています。
メディアに登場するのはCEOだったり、その会社の顔となっている人ですが、
人一人ができることには、限界があります。
【マネジメントチームにもっとも必要なもの】
チームワークは木のようなもの。
コミュニケーションが幹の部分を形成し、根っこの部分には、
お互いの尊敬と共通の目標の認識がなくてはならない。 ゴードン・ベル
チームマネジメントの極意を教えてくれる一言。
ズシンときました。『根っこは尊敬と目標の共有』・・・いい言葉です。
すべてのチームがこういう認識の下で形成されていれば、
システム開発でデスマーチもなくなるはず。。。
【Aクラスの人はAクラスの人を連れてくる】
Aクラスの人は、Aクラスの人と一緒に仕事をしたがる。
Bクラスの人は、Cクラスの人を採用したがる。 シリコンバレーの格言
マインドが高い人たちは、同じくマインドの高い人と一緒にすることで
相乗効果が生まれる。仕事はできるが、自己主張が強い人は、自分の力を
示したいがために自分よりできない人と仕事をしたがる。
こんな解釈もあるのではないでしょうか。
【データで判断し、行動する】
政治的になるな、データを使え。 マリッサ・メイヤー
Googleの副社長であるマリッサ・メイヤーの言葉。
データという客観的な事実をもとに意思決定を行う。
合理的精神を一言で表しています。
■技術者の眼
シリコンバレーの技術者の思想が紹介されています。
私も技術者の一人として学ぶことが多い言葉が沢山ありました。
【変化の節目で何に掛け金を置くか】
ネットが負ける方に賭けるのは愚かだ。なぜならそれは、
人間の創造工夫と創造性の敗北にかけることだから。 エリック・シュミット
もはや知の集合体と化したネットの世界。
その世界を無視して、行動することができないという思いがでてます。
【細部に対する強迫的なこだわり】
あなたはとても勤勉でなければならない。
細部までとことんチェックしなければならない。
やり残しがないように、 くれぐれも注意しなければならない。
いつもよりもっと深くもっと熱心に考えなければならない。
スティーブ・ウォズニアック
忘れがちなモノづくりの基本を示した言葉です。
■グーグリネス
グーグリネスとは、Googleという企業の組織や文化のことです。
一言で言うと『グーグルらしさ』です。
【みんなの合意が基本】
グーグルは、みんなの合意(コンセンサス)に基づくカルチャーの中で、
より素早く、より創造的に機能する。
膨大なデータとともに。 エリック・シュミット
グーグル内でのマネジメントの基本を表した一言。
あらゆる情報が共有化されているグーグルだからこそできることです。
グーグルという組織のベースも『尊敬と目標の共有』だということがよくわかります。
■まとめ
『大人の流儀』は割愛しましたが、気になる方は本書を購入するか、
一部をここで見てください。
引用ばかりになってしまいましたが、どれもモチベーションを
上げてくれる言葉ばかりでした。
また、自分の組織やマインドについても考えされられる一冊でした。
■編集後記
この手の本はマインドマップでまとめるのは、難しいです。
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