リーダー業務は身に付けられる技術
プロジェクトを成功させる 現場リーダーの「技術」 岡島 幸男 ソフトバンククリエイティブ 2006-03-24 |
最近はプロジェクト・マネージャという役割が重視され、
プロマネ関連の書籍やセミナーが増え、企業もプロマネ育成に
かなり投資をしている。
では、本書のタイトルになっている『現場リーダー』という
のは、どのような仕事をする人だろうか。
現場リーダーとは、実際にプロジェクトを仕切る立場の人で、
業務も知っていて、システム内部(作り)も知っていて、
メンバーの管理もやって、責任も取る。しかし、人事権や
決定権は持たない。
という、こう書くと『誰もやらないんじゃないか?』と
思われる大変な人たちのことです。
しかし、現場リーダーがいないとプロジェクトは回りません。
本書では、現場リーダーの主な仕事内容、持つべき価値観、
著者の経験を踏まえたTipsなどが書かれています。
現場リーダーには、以下の3つの仕事があります。
1.目的/課題/アクション
まず、システムを作るための目的を明確にする。
そして、現実とのギャップを課題として取り上げ、
What課題とHow課題に分類する。分類後トリアージにより、
やるべきこと、やらないことにさらに分ける。
課題がわかったら、それを解決するためのアクションを決める。
2.メンバーを演出
現場リーダーは、まず「チームありき」の姿勢でいなければならない。
メンバーに気持ちよく仕事をしてもらうために、メンバーを演出する。
演出は、3つのプロセスを経て行う。
このプロセスの中で、価値観の共有や役割分担の
明確化などを行う。
※気持ちよく仕事をしてもらうとは、おだてるとかではなく、
メンバーを適材適所配置し、高いモチベーションで望んでもらうこと
3.トラブルを克服する
「真実より事実」を基本とし、トラブルに立ち向かう
当たり前のことに思うかもしれませんが、
上記3つは非常に重要な基準だと思います。
私もシステム開発プロジェクトをいくつか経験しましたが、
3つすべてをこなしているリーダーには出会ったことはありません。
1.のアクション部分では、「アクションかんばん」や
「朝会」などのTipsがあり、すぐにでも実践で試せる内容が
書かれています。
現場リーダーを目指す人、やりたくないけどやらされて
戸惑っている人には是非読んで欲しい一冊です。
☆ ニュートラル
☆ 視点の切替
☆ 「ぶれない」
お薦め度:★★★★☆+身に付く技術
書評後記
プロジェクトメンバーから現場リーダーになったとき、
一番初めに戸惑うのは、視点の違いだそうです。
普段からプロジェクト全体を見るようにすることで、
いざリーダーという立場になってもぶれない立ち振る舞いが
できるように思います。
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