ぼくらの仮説が世界をつくる 佐渡島 庸平著


世界は誰かの「仮説」でできている


ぼくらの仮説が世界をつくる ぼくらの仮説が世界をつくる
佐渡島 庸平

ダイヤモンド社 2015-12-11
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「仮説をたてること」の大切さは様々な書籍でも語られています。
ものごとを考えるときに、仮説があると、思考のベースが作ることができ、
その後の作業が効率的に進めることができるからです。

ただ、その仮説は「ある情報」に基づいて考えることが多いです。
本書では、「仮説が先、情報は後」と記載されています。
情報が先にあると、その情報が基礎となる思考となってしまう、いわゆる『前例主義』になってしまうからです。

著者は講談社で「宇宙兄弟」や「ドラゴン桜」を担当した編集者です。
出版業界の例が多いですが、他業界にも当てはある内容が多々あります。

いまやっている仕事に不満があり、新しいことをやりたいと思っている方にお勧めです。

 

■仮説を立てる意味

仮説・検証というプロセスはものごとを考える際に非常に重要です。
検証フェーズでのフィードバックにより、その仮説が正しかったのか、そうでなかったのかを
判断することができ、次に繋げることができるからです。

ただ、決断するために 集めた情報は過去のものであり、それに頼ると「前例主義」になってしまいます。
本書では、「前例主義」に陥らないために、「仮説が先、情報は後」という順番が重要だと述べられています。

「 情報➡仮説➡実行➡検証」ではなく、「仮説➡情報➡仮説の再構築➡実行➡検証」という
順番で思考することで、現状に風穴を開けることができるのです

また、本書では「仮説とは定義である」とも述べています。
この考え方をすることのメリッドは仮説の精度があがることだと私は感じました。
「定義する」というと「なぜ、そう考えるのか」という問いに答えられないといけません。
「ただの思いつき」と「仮説」は別物なので、それを明確にするためにもこの考え方は素晴らしいです。  

 

■「宇宙人視点」で考える

「宇宙人視点」とは本質を見極めるために必要な視点です。

大胆な仮説を立てるためには、あらゆる常識や、これまでの慣習というものに囚われず、
自由に思考することが大切です。
ぼくはものごとの本質を考えるとき「自分が宇宙人だったら、どういうふうに考えるだろう」と思考しています。

本質を見るとは、表面的なものだけに囚われず、骨格を見るということです。
「なぜこの商品やサービスが流行っているのか?」というものを考える時に
表面的なもの(大々的に見えているデザインなど)でなく、骨格(ビジネスモデル)を見るということです。

最近のIT業界でいうと、ディープラーニングやFintechという言葉が流行っていますが、
それを考える上でも重要な視点です。
ただ単に、「将棋や碁のプロに人工知能が勝った」とか「決済の仕組みが変わった」などと
表面的なものを見ていてはいけないということです。

   

■ドミノの一枚目を倒す

単発の仕事を延々と繰り返すことで目標に近づくのはどれだけ精神力があっても足りません。
ある仕事をすると、次の仕事につながる。そういう「連鎖を生み出す仕事」であれば、やる気も自然と
継続するでしょう。いかに自分がやる気を継続させられるような仕組みをつくるか、ということが重要なのです。

この「連鎖(ドミノ)を生み出す仕事」 を生み出すために必要なことは「基本の徹底」だと著者はいいます。
基本を徹底にやることがドミノの最初の一枚を倒すキッカケになります。

SEという職種に当てはめると、基本はアルゴリズムの理解であったり、コンピュータの仕組みだったりします。
それがわかっていないのに、色々なプログラミング言語を学んだり、フレームワークを学ぶことに
走ってしまうと、表面的なものしか理解できずに、応用が利かなくなってしまいます。

 

■全体的な感想

本書ではまったくでてきませんが、「イノベーション」というものはこういう思考から
生まれるのだな、と感じました。

「ゼロベース思考」「仮説思考」といったロジカルなアプローチではなく、本書で語られている
ものは実に人間らしく、著者の熱が伝わってくるものでした。

私は「宇宙兄弟」「ドラゴン桜」という作品にあまり詳しくありません。
ただ、ドラゴン桜の「ルールを作る側になれ」という名言は知っています。

IT業界ではGoogle、Amazon、Appleといった企業がルールを作っています。
ただ、それはプラットフォームとしてのルールであり、コンテンツ(作品)に関する
ルールではありません。

プラットフォームがルール化されると、それが標準化されるため、コンテンツの
中身が重要になってきます。

どんなコンテンツが世の中を変えていくのか。
それは、本書も記載されている「何かを再定義する」という仮説から生まれてくるのかもしれません。

    


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