超!部下マネジメント術 石田淳著
部下育成のパラダイムシフト
![]() | 超!部下マネジメント術-1/3の時間と労力で人が育つ!インストラクショナルデザイン- 石田 淳 インデックス・コミュニケーションズ 2009-01-22 売り上げランキング : 21688 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ウィルPMインターナショナル 山本様より献本御礼
今年の書評アップは2冊目になります。
1冊目に続き、石田淳さんの書籍です。
会社に入って、10年くらい経つとラインマネージャになり、
部下をもつこともあります。
また、プロジェクトマネージャとしてメンバーを率いて
仕事をすることもあるでしょう(この場合は部下ではないです)。
そのような立場になったら、どうしても「教育」というものが
使命の1つにあがっています。
その「教育」に関して、悩みをもつビジネスパーソンは
多いのではないでしょうか。(現在の私もその一人です)
本書では、従来の教育方法の問題点を挙げ、
「インストラクショナルデザイン」という強力な教育手法の
紹介および実践方法が書かれています。
部下や後輩の指導方法に悩みを持つ方にお勧めの1冊です。
■育たない理由
部下の教育をしている人の多くが、以下のような悩みをもっています。
・理解してくれない
・自分の思うよな行動をしてれない
これらの悩みの原因は、教わる側にあるのではありません。
問題は、『教える側』がキチンと『指導スキル』を
もっていないことです。
→この部分を読んだときに、「私のことだ」と
気づいてしまいました orz
従来の教育は、教える側の質について考えられていませんでした。
『勘・経験・思い込み』で行われる従来の教育は、
部下との情報格差が生まれ、コミュニケーションの相違も
起りやすいのです。
本書では、教える側の質を向上させるために、
『インストラクショナルデザイン』
という手法が紹介されています。
■インストラクショナルデザイン
インストラクショナルデザインは、「教育工学」「認知心理学」などを
体系化した教育のための手順です。
教育する際の「設計図作り」や「チェックポイント」による
評価などがあり、その目的は、『望ましい行動へ導く』ことです。
ティーチンクなどの手法もインストラクショナルデザインの中に含まれます。
<メリッド>
インストラクショナルザインを導入することで、以下のようなメリッドが得られます。
1.効果・効率アップ
2.再現性
3.汎用性
これにより、教育にかかるコストを少なくすることもでき、
行き当たりばったりの指導方法を是正することができます。
→耳の痛い指摘です。
<大原則>
教育をする上での、大原則は、
1.部下は常に正しい
2.すべてを具体的な行動にする
の2つです。
→「部下は常に正しい」という原則は、教える側の思い込みを
排除するために非常に重要なことです。
「自分を正」としてしまうと、自分と相手の思いが
噛み合ず、前に進めない状態になってしまいます。(デットロック)
<分類>
教える際には「知識」「技術」「実践」を分けなければいけません。
これら3つを混同して伝えようとすると、相手も自分も
どの行動に対して指摘をしているのかがわからなくなります。
また、効率も悪くなることは間違いありません。
→たいていは、自分だけわかっている場合が多いです。
ここで情報伝達の齟齬が生まれるのかと。
■ADDIEモデル
ADDIE(アディー)モデルとは、インストラクショナルデザインの
基本プロセスで、5つのポイントの頭文字をとっています。
・分析(Analize)
分析とは、指導や教育の目的やゴール、教育にかかるコストなどの
洗い出しを行うプロセスです。
→教育のコストというのはあまり考えたことはありませんでした。
教育の効果というのはすぐにはわからないかもしれません。
しかし、効果が現れた時に、初期にどのくらいのコストを
かけたかを把握しておかないと評価が難しい。
この考え方は目から鱗でした。
・設計(Design)
分析結果をもとに学習の指標を決定するプロセス
・開発(Develop)
設計されたものを基に、教材やカリキュラムを作成するプロセス
・実施(Implement)
実際に指導や教育を実施する
・評価(Evalute)
設計で定義した指標をもとに評価する
→この流れをみてシステム開発のプロセスと内容を
重ねてしまいました。
分析→設計→実装というフェーズの流れは
開発プロセスと同じです。システム開発の場合、
その後に「テスト」というフェーズがきますが、
インストラクショナルでは、「評価」となっています。
内容としては同じですね。
■設計図づくり
ADDIEモデルのADDまでの部分にあたるのが、「設計図づくり」です。
<ゴールの設定>
まずは、ゴールの設定。
ゴールの設定のポイントは具体的な表現を作るということです。
曖昧な基準を作ってしまうと、最後に客観的な評価ができないからです。
<分析>
分析では、教えるべき「行動」の洗い出しをします。
<事前テスト>
事前テストをする目的は、「思い込みの排除」です。
例えば、
入社5年目だからこれくらいはできるはず
という思い込み。
「これくらい」は完全に教える側の主観が入っています。
これをテストという形で「見える化」することで、「事実」が見えます。
<事後テスト>
事後テストは「どこまで行動できたか」をみるための物。
ここで、勘違いしてはいけないのが、その結果をみたときの反応。
あくまで、「部下は常に正しい」という大原則を忘れてはいけません。
結果がよくなかったときは、教える側に問題があるのです。
→この部分では、「事前テスト」「事後テスト」の内容が新鮮でした。
私も「思い込み」はかなりある方だと思います。
Web開発を経験していると聞くと「HTTPについては説明不要だな」と
思ってしまいます。
受ける方は構えてしまいそうですが、
プロジェクトの導入教育前などには有用だと思います。
■感想
本書の肝である前半部分(考え方の部分)を取り上げました。
後半部分(実際の手順)に関しては、本書をご覧ください。
後半部分にはケーススタディもあり、これもまた考えさせられる内容です。
自分の指導スタンスが如何に問題かを突きつけられる内容が満載でした。
私はラインマネージャではないので、本当の意味での部下はいません。
しかし、仕事をしていく上で、後輩の教育はすることがあります。
今までは、その時々で必要だと感じる内容を教えていましたが、
『設計図』として見える化していませんでした。
なので、
誰に何を教えるべきか、そしてその結果どうなったか
という見直しを一切していませんでした。
猛烈に反省しています。
適切な指導方法をすることで得られるメリッド(自分も相手も)を
知ることができたので、これからは是正していきます。
■編集後記
PC移行に伴い、マインドマップ作成ツールをかえてみました。
「新たな習慣へのトライ」さんのところで紹介されていた
XMindというツールです。
オープンソースなのでPCでマインドマップを作ってみたいという
方は一度試してみてはいかがでしょうか。
■マインドマップ create by XMind
■トラックバックさせていただいたサイト




コメントする