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2007年06月18日

新米リーダーの不安 渡辺 紳一著

中規模開発リーダーが考えること



新米リーダーの不安新米リーダーの不安
渡辺 紳一

技術評論社 2007-01-20
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本書はシステム開発に焦点を当てた本です。
一般的なリーダー論とは違い、SE(システムエンジニア)から
中規模開発のリーダーへ転進する人が各フェーズで考えるべきことや
状況別解決方法がQA形式になって記載されています。

   

■中規模システム開発とは
中規模というのはだいたい60人月※くらいのシステムのことを
本書の基準としています。

※人月とはシステム開発の規模を表す単位の一つで、
 何人が1ヶ月取り組むことで、システムができるという意味です。

この規模のプロジェクトは会社的なサポートも弱く、
上層部からは『できて当たり前』と思われることも多いです。

こんな特徴をもつ中規模プロジェクトですが、
本書の中で定義している成功ポイントは主に以下の3つです。

【80点主義】
すべての完璧にこなそうとしない。
優先順位付けをして、常に正しい(と思われる)方向へ導く

【現実主義】
「~すべき」という理想論を追い求めない。
事実に注力する意味。

【プロジェクト至上主義】
プロジェクトは参画するメンバーのものであると考え、
組織的な圧力に屈しない。

ちょっと誤解を生みそうな定義になっています。
作るシステムは顧客のものであることは間違いないですし。。。

■要件定義のポイント
要件定義とは、どのようなシステムを作るかを明確にする
フェーズです。

ここでのポイントは以下の2つ

【目的の明確化】
顧客のやりたいことがはっきりしない、なんとなくこんな感じにしたい、
そういったやりとりがこのフェーズでは良くある。
そんなときに、顧客の視点でシステム化目的を考える。
目的が明確化されれば、それに付随して関連仕様が決まってくる。
仕様の整合性などもこの『システム化目的』がなければ、
とることが難しい。

【事実の洗い出し】
現状分析・整理を行う段階で、注意すべきことは『事実』
洗い出すことである。
「~べき」という視点を持ってしまうと、事実が隠れてしまう可能性もある。

■マネジメントのポイント
マネジメントは目的の明確化・リスク・モチベーションの管理が重要である。

【目的の明確化】
システム開発をする側からのシステム目的を明確にする。
QCD(品質・コスト・納期)は大事だが、それだけが目的ではない。

QCD以外の目的としては、
『技術的課題解決』
『ノウハウの蓄積』

などを掲げることができます。

【リスク管理】
リスク管理は以下の4段階に区分できます。

・リスク削除
・リスク移転
・リスク回避
・リスク保有

中規模開発では、リスク削除を常に目標とするべきである。

移転・回避・保有はなるべくさけ、解決できるリスクを
増やしていくことが大事である。

【モチベーション管理】
モチベーションは、プロジェクトの目的を明確化することで、
マグレガーのXY理論のY理論部分を満たすようにする。

プロジェクトの成否はメンバーのモチベーションに起因するところが
多いにある。

「面白そうな開発」と感じさせれるようにする。

■まとめ
この本は完全にシステム開発に携わっている人が対象になっています。
専門用語も多発しているので、対象者でない人にはさっぱりわからないと思います。

内容的には、リーダー論というよりかは
システム開発時の注意点をソフトウェア工学視点+著者の経験を
元に書いているという感想です。


☆プレイングマネージャ
☆知識総動員によるリスク管理
☆顧客視点

お薦め度:★★★☆☆+理論と実践



書評後記
ブルックスの法則※に反した人海戦術はまだまだ残っています。


※「遅れているソフトウェアプロジェクトへの要員追加はさらに遅らせるだけだ」
 というプロジェクトマネジメントに関する法則である

こういう良くない慣習は早くなくしたいものです。



マインドマップ create by jude-think

2007年06月11日

『PFP関東ワークショップ#6』に行ってきました

先週の木曜日に行われたPFP関東ワークショップに
参加してきました。

PFPのメーリングリストには大分前から入っていたのですが、
今回初めてワークショップに参加しました。

   

PFという言葉を聞いたことがない人は多いと思います。

PFとはProject Facilitationの略です。

定義は、オブジェクト倶楽部から引用するとと

プロジェクトファシリテーションは、プロジェクトの成功とともに、「エンジニアとして人生の時間の質(QoEL : Quality of Engineering Life)」を高めることを目的としています。

となります。

つまり、ファシリテーション技法をシステム開発プロジェクトに
適用し、みんな楽しく仕事をしよう!ということです。

今回は事例発表とワークショップの2本立てでした。

【事例発表】
実際にプロジェクトでやってみた事の
ふりかえりで、どんなプラクティスが適用しやすいのか、
逆にどんなことが壁になるのか、などの発表でした。

やはり、自由度が高く1人でできるマインドマップや
ソフトウェアかんばん等が浸透しやすいみたいです。

【ワークショップ】
ここで行われたワークショップは別のセミナーでも
行われるみたいなので、内容は伏せておきます。

【感想】
今回初めての参加でしたが、非常に面白かったです。

懇親会では色々な人との触れ合うことができ、
意見交換など活発に行えました。

改めて私はまだまだだな~っと感じました。

【関連書籍】
現場リーダーの技術 岡島幸男著

【関連サイト】
Project Facilitation Project wiki
プロジェクトファシリテーション(オブジェクト倶楽部)

2007年06月09日

劇的ワンペーパー Only-One-Paper Magic 中野 雅至著

一枚で語る技術



劇的ワンペーパー   Only-One-Paper Magic劇的ワンペーパー Only-One-Paper Magic
中野 雅至

光文社 2007-03-23
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時代の変化に伴い、情報の伝達手法も変わってきました。
情報のインプットはTV中心からネット中心へ、
アウトプットは電話中心から電子メール中心へ。

本書では、このような変化の中で、ビジネスマンに求めれる
『書く力』のポイントを例を交えて書かれています。

   

■求められる書く力

コミュニケーション方法の変化に伴い、現代のビジネスマンには
『書く力』が求められています。

では、ビジネスマンに求めれる書く力とはどのようなものなのか?

ビジネスマンに求めれる能力は、小説家のそれとは違います。
小説家は読者を魅了するために、『表現力』が求められます。
ビジネスマンは、情報を正確に相手に伝えるために、『論理力』が求められます。

『論理力』を磨くことで、たった一枚の文章で物事の要点、全体の鳥瞰を
伝えることができます。

■5つの能力

では、『論理力』を鍛えるためには、何を磨けばよいのか?

本書では以下の5つの能力を上げています。

調査能力
分析能力
取捨選択能力
整理能力
創造力

【調査能力】
調査能力は、必要とされる情報を各情報リソースから
取得してくる力のことです。
また、読む人の環境やレベルに合わせて言葉を選んだりするときにも
この能力は必要です。

業界方言などを使うのはもってのほか、ということです。

【分析能力】
分析能力は、集めてきたたくさんの情報の中から本質を抜き出す力です。

この能力を磨くポイントは、『要するに・・・』です。
要点を一言で表すことができなければ、本質はまだつかめていません。

これは、自分の理解度を知るバロメーターにもなりそうです。

【取捨選択&整理能力】
情報の選り分けをする能力のこと。
膨大な情報の体系化をするのに必要です。

文章作成のポイントとなる力になります。

【創造力】
A+B=??の『??』を作る能力。
今後の動向を掴むために必要。

クリエーターやコンサルタントなど生み出すことを仕事に
している人にはとても大事。

■まとめ

文章で伝えることの大切さを感じられる一冊でした。
情報が得やすくなったことで、ますます体系だてられた書く力が
必要になってきたということですね。



☆書く力=情報処理能力
☆本質は歴史の中にある
☆『要するに・・・』はバロメーター

お薦め度:★★★★☆+一枚の重み



書評後記
著者の経験を元に書かれているので、書く文章が企画書中心でした。
私はシステム屋なので、あまり企画書を書くことはありません。
しかし、企画書でも設計書でも『伝える』という
目的には変わりはありません。

読みやすい、わかりやすい文章が書けるようになるため、
考える⇒書くというサイクルを意識していきます。



マインドマップ create by jude-think



トラックバックさせていただいたサイト
「劇的ワンペーパー」中野雅至@マインドマップ的読書感想文さん
まずは1枚でまとめる(劇的ワンペーパー)@創造マラソンさん
劇的ワンペーパー / 中野雅至@The Wrong and Winding Roadさん
「劇的ワンペーパー」 中野雅至@成功者になるための!!オンライン図書館さん

2007年06月05日

プロフェッショナル進化論 「個人シンクタンク」の時代が始まる 田坂 広志著


プロから新たな領域への進化


プロフェッショナ進化論 「個人シンクタンク」の時代が始まるプロフェッショナル進化論 「個人シンクタンク」の時代が始まる
田坂 広志

PHP研究所 2007-04-19
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活躍する人材は時代と共に変化していきます。
スペシャリスト・ゼネラリストからプロフェッショナルが求められるようになった
時代は更なる変化を迎るようになりました。
それは、『個人シンクタンク』という新たな領域へ進化です。

本書は、今どのような人材が活躍できるのか、そしてそのような
人材になるためには何をすればよいのか、ということが田坂さんの
鋭い視点で書かれています。
   ■時代の変化
90年代後半から現在にかけて、ビジネスを取り巻く環境に
2つの大きな変化がありました。

一つは、インターネット革命
これにより、情報を得る・伝えるが非常に容易になりました。

この革命から生まれた代表的なものがLinuxなどのオープンソース(OSS)。
場所・時間を問わずあらゆる人が開発に携わり、
いまではどんどんOSのシェアを伸ばしています。

その他にも様々なOSSがSVNやCVS※ソース共有のもと開発が行われました。
これは現在でも続いています。
SourceForge.jpなどを覗いてみるとよくわかります。
このサイトに登録されているだけでも、2500プロジェクト動いてますね。

※SVNやCVSは構成管理ツールです

もう一つは、Web2.0革命

この革命は、インターネット革命が進化したもので、以下の3つから成り立ちます。
1.衆知創発革命
 今までは「今ある智恵」しか手に入らなかったものが、「今ない智恵」が
 ネット上にどんどん生まれてくるようになった。

2.主客融合革命
 情報の送り手・受け手という垣根がなくなった。
 Amazon書評レビューやブログなど、情報の受け手が送り手に
 なりえるコンテンツが発達してきた。

3.感性共有革命
 今までは文字による情報のみだったのが、
 YouTubeに代表される動画コンテンツが充実してきた。
 これにより、言葉では伝えられない感性の共有が可能になった。

■進化の必要性
時代の変化により活躍する人材も変化するようになります。
それが本書で定義している『個人シンクタンク』への変化です。

個人シクタンクに必要な力は7つあります。
7つを自分なりに3つにカテゴライズしてみました。

【物語を作る力】
自分が持っている情報や知識をそれを知らない人にわかりやすく伝える力。
伝えるためには、点の状態を咀嚼して、線にする必要があります。
その線に相手を導くことで内容が伝わります。

メッセージ力


【生み出す力】
沢山の情報をまとめ、新しいものを作り出す力。
会議から何かを生み出したり、世の中に流れている情報から
ひとつの道を生み出す力。

インテリジェンス力

コミュニティ力

コンセプト力


【見る力】
世の中の流れの先を読み、自分の考えから導き出した方向へ
信念をもって向かっていく力。

フォーサイト力

ビジョン力

ムーブメント力


う~ん。うまく分類できたのかな?

■進化するための戦略
進化するためには6つの戦略があります。
その中からいくつか紹介します。

1.概観と集中の切替
情報が得やすくなったということが、必要な情報とそうでない情報を
分類できなくてはいけません。

また、必要な情報の中でも深く掘り下げて知るべき情報と
概観だけ理解できれば良いものもさらに分類する必要があります。

このように、情報のトリアージを正しく行い、情報の海に飲まれないようにします。

また、深く掘り下げる分野と概観だけ理解する分野、この2つを正しく吸収することで
複数の自分をマネジメントすることができます。

2.師匠サイト
プロフェショナルとして活躍されている人のサイトからは
沢山のことを学べます。

例えば、『発想』『語り方』『活動』など。

そのサイトを師匠サイトと位置づけ、師匠の思考や活動などを
追いかけていくことで、『智恵』を学びます。

3.パーソナル・メディア
自分を磨く修練の場として、パーソナル・メディアをもつ。

現在はブログなどが簡単に作成できるので、その場を通じて、
自分を磨きます。
発信する情報には、自分の言霊をこめます。

また、『ギブンアンドギブン』も忘れてはいけません。
とにかく与えることに注力します、もらうことばかり考えていては
何も蓄積されません。与え続けて初めて得るものがあるのです。


4.フィールド
智恵には、『書物で学んだ智恵』と『経験から学んだ智恵』の
2種類あります。

書物のみで学んだ智恵というのは、経験が伴っていないため、
語るときの言葉が軽くなることがあります。

『経験から学んだ智恵』は、自分で体験して学んだものなので、
説得力もあります。
経験から学んだ智恵を沢山持つことが、個人シンクタンクへの
進化条件になります。

■まとめ
『個人シンクタンク』という新たな職業体系を定義することで、
ビジネスマンは常に学び・進化しなければならない、という
田坂さんのメッセージが伝わってくる一冊でした。

本書の中で一番ズキンときたのは、この言葉。

『下段者には、上段者の力はわからない』

下段者には上段者の力を図ることができない。
なぜなら自分の枠でしか、力を測ることができないためである。

常に謙虚でいるとが大事だということを改めて確認しました。


☆学びの継続
☆経験でしか学べない
☆ブランドとは信頼

お薦め度:★★★★★+プロからの脱皮


書評後記
ものすごく濃い一冊でした。

自分には絶対的に体験が足らないということを
再確認しました。

学び⇒行動を続けることでフィールドを徐々に広げていきたいです。


マインドマップ create by jude-think



トラックバックさせていただいたサイト
一人一人がシンクタンクに(プロフェッショナル進化論)@創造マラソンさん

2007年06月01日

『J-College 第26回 小田真嘉さん』に行ってきました

久々の投稿です。

昨日、初めてJ-Collegeに参加しました。
J-Collegeは尊敬する松山真之介さんが校長先生をしている
学びの場です。

以前も参加を試みたのですが、仕事が終わらずドタキャンした
経験があります。。。

今度こそは!と思って参加しました。

   

今回の講師はブースト・パートナーズ株式会社小田真嘉さん。

『1000人の経営者にインタビューした
小田 真嘉さんに聞く
~「成功する人しない人」、「人の成長の法則」とは!?~』
というテーマで約1時間半の講演でした。

例によって余り詳しい内容は書けないのですが、
小田さんのブログなどで書かれてるのはOKだろうということで軽く紹介します。

【成長スタイル】
成長をするスタイルは、『ゴール型』と『テーマ型』に分類できる。
それぞれ、スタートからゴールまでの道筋が異なるため、
意見が衝突したり、お互いの言っていることを理解できないことがある。

この分類はコミュニケーション法としてもとても役に立つ内容でした。
講演を聞きながら、あの人はどっちかな?なんて考えてました。

講演内で自分がどちらのタイプか見分ける方法を
教えていただきました。

自分はどちらかというと『ゴール型』に偏ってました。
ちなみに、妻は『テーマ型』の傾向がありました。

【3つのステージ】
働き方には3つのステージがある。
・Riceステージ
 ただ、自分が食べる(生活する)ためだけに働く
・Likeステージ
 仕事を楽しい!と感じながら働く
・Lifeステージ
 自分も含めてみんなが楽しい!と感じながら働く

それぞれのステージにはカテゴリ毎に特徴がありますが、
詳しくは割愛します。

Rice⇒Like⇒Lifeというステージアップするには、
どのようなことをすればよいのか?
そんな話も講演内ではされてました。

まずはとことん量をこなすことですね。

【まとめ】
非常に軽快な話し方をされて、聞いていてどんどん
引き込まれていきました。

最後に流れた小田さんのメンターでもあるジョン・フォッピの
メッセージがとても心に残りました。

【編集後記】
小田真嘉さんは私と同年代なのに、この差はなんだ!と
帰りの電車の中で考え込んでしまいました。

『とことん量をこなす』というのは、福島 正伸さんや鮒谷 周史さんも
仰ってたのを思い出しました。

私はまだまだ修行が足りません。